内容説明
ニューヨークのマンハッタンに住むフランチェスカは15歳。彼女は、ダンススタジオの鏡に映った自分の姿に幻滅する。なんてデブなの。太ももはホントに太いし、ウエストは締まりがない。デブはみにくい。デブは最悪。もっと、やせて、身体を引き締めなきゃ。フランチェスカは猛烈なダイエットを開始する。なんで、そんなにやせたいのか、本当の理由には気づかないままに。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
105
読友さんのオススメから。ダンスを習う15歳の少女、フランチェスカ。ダイエットを切っ掛けに理想の自分である「ケサ」を創り上げ、拒食症へと突き進んでいく。読んでいてまるで昔の自分を見てるようでした。食べたいけど太ることが怖くて食べれない、食べたくない--その根底にあるのは両親への「私を見て!私を愛して!」という痛切な叫び。それがとても切なくて涙が出ました。私もかつて経験したことなので、フランチェスカに激しく共感しまくりでした。彼女に必要だったのは「あなたは此所にいても良い」という愛情と安心感だったのでしょう。2016/04/09
アズマ
32
読んでいて辛かったです。拒食症になるまでのきっかけや過程が細かく書かれていて、周りから見れば異常だけど本人からするとまだまだ足りないという意識。拒食症を通して抱えていた本音が切ないです。2019/03/03
アイアイ
24
親がみても一度もデブに見えた事はないのに、168㎝44キロでダンスを熱愛する15歳の少女フランチェスカには自身がバケモノのように太ってみえる。強い理想の自分「ケサ」を作り、憧れの講師からダンスで身を立てる夢の糸口、 夏期講習の推薦を受けさらに食べる事をやめた。両親が異変に気付いた時は36キロまで減少。 ごく些細な習慣と決め事が、自分の力で立てなくなり胸に穴から管を入れて食事するまでになる死に近い小説。 死亡率は減少したが現代発生率が高い、なぜか中流階級によく現れる精神病である。▽図書館2016/03/01
hitomi.s
16
学生の頃、何故か繰り返し読んだ本の再読。拒食症の女の子のお話。あまりにも愛されたいと思った時、どうしたら愛されるかを考えてしまった。そんなことを考えてしまう自分が、ワガママ過ぎるのだと思ってしまった。あの人の悪い部分を悪いと認めることはダメだと思ってた。時間と物理的距離は、大事。楽していいし、逃げていい。それがムリな状況なら手段や方法を探すために知識をつけよう。自分が楽に生きられる状況は何処か想像してみよ。私が昔々の私に言えること。踏ん張ってくれてありがとね。しあわせで居ます。2021/08/19
とももん
14
すごくすごく参考になった本だった。拒食症が具体的にどんな症状で、どういう経緯をたどるのか。ここまでリアルにわかりえた本はなかった。また、文中にある「本当は摂食障害の悩みよりも、もっと他におそれていることがあって、それから逃げるために、摂食障害になっているのではないか。食べ物のことを考えていれば、その考えたくないことは考えなくてすむからじゃないの?その、本当は何が問題かを考えなさい」という点。ぐさーーっときました。2017/10/06