ハヤカワ文庫
レッド・ドラゴン 決定版〈下〉 (決定版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 358p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150410209
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ウィリアム・ブレイクの描く「大いなる赤き竜」に自らを重ねて残忍な犯行に及ぶ男、ダラハイド。新聞記者を生贄にして不敵な挑戦状を叩きつける彼とそれを操ろうと企むレクター博士に、グレアムらは翻弄される。だが一人の盲目の女性との出会いを機に、ダラハイドの自我は二つに分裂を始めた―殺人鬼の心の奥底の闇を抉り出すサイコ・サスペンスの最高傑作。ハンニバル誕生秘話を記す著者序文を付した決定版ついに登場。

著者等紹介

ハリス,トマス[ハリス,トマス][Harris,Thomas]
1940年テネシー州ジャクソンに生まれ、少年時代をミシシッピ州リッチですごす。テキサス州ウェイコーのベイラー大学を卒業後、AP通信の記者を経て、1975年に処女長篇『ブラックサンデー』を発表。1981年に発表した『レッド・ドラゴン』では、恐るべき連続殺人犯でありながら天才的な頭脳を持つハンニバル・レクター博士を登場させ、世界に衝撃を与えた。その成功を受けて『羊たちの沈黙』(1988)、『ハンニバル』(1999)を発表、ベストセラー作家として確固たる地位を築いた

小倉多加志[オグラタカシ]
1934年京都大学英文科卒、1991年没、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

75
満月の夜が来て、更なる惨殺の悲劇が起こるのか、グレアムは間に合わないのかと思いきや、犯人の生い立ちなどの話となる。犯人がどのような境遇で育ち、どのような思いを持ち、今に至るか。盲目の女性と出合い、己の心に育ったレッドドラゴンとの折り合いに悩み、葛藤する姿が描かれる。グレアムにも悩める過去があり、一辺倒の正義感で生きている訳ではない。二人と比べて対極の位置に存在するのが、ハンニバルなのかも知れない。彼の心は純粋で、悩みが混在する余地すら無いのだろう。しかし被害者を忘れて、犯罪に理由を認めては為らないと思う。2016/07/03

藤月はな(灯れ松明の火)

75
兎口という容貌から母に捨てられ、容姿を罵る祖母と周囲に育てられたダラハイド。彼が盲目のレバを愛したけど、他の男といる所を目撃してから内なる「赤き竜」に苦しめられる場面が痛々しすぎて辛いです。だからこそ、あの最期は少し、哀しかったです。それにしても下巻もレクター博士の登場はちょっとしかないのに印象が強烈すぎる・・・。一方、グレアムの、孤立しやすい家庭や犯罪者の心理に同調しやすい性格に今後の展開を考えると怖いものがあります。2015/01/07

巨峰

44
下巻は、完全にダラハイトが主人公で、彼が同僚の女性とのかかわりで人間性を戻していくくだりが良かったので、事件が迷宮入りした方が良かったのでは?と思ってしまいました!2024/05/19

*maru*

41
なるべき存在と“竜”の呪縛。内なるドラゴンの目覚め。犯人の過去や盲目レバとの出逢い。グレアムにしてもモリーとの関係性など罪深きは女性なのか。安らぎや慰めの存在であるとともに、恐怖や障害の対象とも言える。グレアムも悪くなかった。しかし先に羊たちとハンニバルを読んでしまったからか、自分が女だからなのか、女性ならではのしなやかさと弱さや強さが付加された後2作の方が印象は強い。とは言っても、ぐらぐら揺れる犯人の心理描写やグレアムの迷い、油断は禁物の結末に至るまで、満足感にどっぷり浸れる作品でした。2019/03/23

佳乃

41
レバとのことでダラハイドがとても人間味を帯びたように思える。だからこそレバは助かったのだろうけれど、ゲレアムへの執着は消えるものではなかったんだねぇ。自分という人間を見て欲しかったのだろう・・・としかいいようがないかもしれない。それにしてもダラハイドの過去が悲しい。2017/10/17

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