内容説明
英仏間にふたたび戦端が開かれた1803年。ボライソー中将は、わずかな艦隊を率いてフランス海軍の拠点ツーロン港を監視するよう命じられる。宿敵ジョベール提督が率いるフランス艦隊の同向をさぐり、その意図を見破るのが目的だった。だが、敵は挑発的な攻撃を仕掛けてくるだけで、ジョベールはいっこうに姿を現わさない。しかもボライソーは策略にはまり、目に深傷を負つてしまう…。宿命の戦いを描くシリーズ第16巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
12
1803年 リチャード・ボライソー海軍中将47歳 旗艦・戦列艦アルゴノート号(74門 バレンタイン・キーン艦長)。サー・リチャードとなったボライソーの初仕事は、アミアンの和約の破局直後、フランス提督ジョベールとの激闘。今回、新しいコクスンは使い物にならないし、妻ベリンダの悪妻ぶりが表面化するし、眼を怪我するし、「幸いなる小数」の一人が去るし、脂ののりきったはずのボライソーにこれでもかと不幸がふりかかることに。それでもがんばるボライソーの戦果はいかに。2012/09/11
カラヤ3
1
ボライソーの下で海尉だったインチ艦長もついに壮烈な戦死を遂げる。ファーカー、ニールと次々に戦死していくがボライソーの喪失感も大きなものがあるだろう。ボライソーの足を引っ張ろうとする影の勢力についてボライソー自身がほのめかしていたが読み取れなかった。2018/06/17