内容説明
三人兄弟―アルフレッド、トリスタン、サミュエルは、第一次世界大戦で志願兵として戦った。だが、戦争は思いもよらぬ悲劇を兄弟にもたらした…大戦後、愛するスザンナを置き去りにして世界を放浪する次男トリスタン、ひそかに弟の婚約者スザンナに思いをよせる長男アルフレッド。モンタナの大自然を背景に兄弟の波瀾にみちた生涯を描く表題作、真実の愛にめざめた男と女の物語「ある復讐」など三篇を収録する傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ペグ
42
読友さんにこの本を紹介されて読んでみました。このジム ハリスン!凄い!三作収録されていて「レジェンド オブ フォール」は特に印象的でした。20世紀初頭に生きたトリスタンの冒険、恋愛、復讐などを極端に切り詰めた文体で、普通なら充分長編になる物語をこれだけの短さに仕上げる。行間は読者に任せる潔い男臭さ。読んで良かったです。2017/06/25
慧の本箱
0
ブラピで映画化された作品です 沽券にかかわる意地で男たるものこうあるべきと 男性のプライドかけて火中の栗を拾って回るところはアメリカの男性のと言うか大部分の男性の憧れるパターンでしょうか・・・どうでしょう・・結構日常には不向きで厄介かも・・ですが 私は嫌いじゃない2008/05/17
takeakisky
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表題作のほかに二篇。行儀良く頭から読む。ある復讐。メキシコ。血と太陽と暴力。かと思いきや。だけじゃないのは、ティベイという人物造形の妙。名前を棄てた男。筋の通らない筋の通った男ノードストロムの話。レジェンド・オブ・ザ・フォール。一人の男の壮大な叙事詩。fallとは?どれも100ページほどの中篇だが、みっしり詰まった重量に腹の底までいっぱいになる。表面はシンプル、内面には極めて複雑なものを抱える男を主軸に据え、骨っぽく読み応え抜群。2025/01/18