内容説明
苦難の末に、姉妹は砦へたどり着き、父親との再会を果たした。だが、喜びも束の間、フランス軍に完全に包囲され、砦は明け渡されることになる。イギリス軍は砦を後にするが、そこへ敵インディアンの群れが襲いかかり、姉妹はマグワに連れ去られた。彼女たちを救うため、ホークアイ、モヒカン族の父子らは、追跡を開始する。が、行く手には大きな悲劇が待っていた。大自然を舞台に描き上げる愛と友情と闘いの壮大なドラマ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yoko
13
原作はこういうストーリーだったのですね。映画先行で勝手にロマンスはまだかロマンスはまだか…って思いながら読んでました(笑)抗えない歴史のうねりの中「高貴な野蛮人」白人たちの勝手な思惑で先住民族たちまでもが部族間で争わねばならぬ不条理。その中で主人公ホークアイは白人ながらインディアンの魂を持つ象徴的な存在として描かれる。ヒール役として描かれるインディアンを野蛮と言うのは簡単だが、私利私欲ではなく民族の信仰や文化の違い、単純な領地争いなんだと思う。魂の片割れを失ったホークアイが今後どう生きてゆくのか気になる。2016/09/14
しろうさぎ
10
下巻の圧巻はコーラ奪還をめぐるアンカス&デラウェア族対マグワ&ヒューロン族の戦い。二つの部族の交渉場面や、出陣及び野辺送りの儀式に目を奪われる。ただ配役には謎が残った。新大陸の大自然を前に欧州人は皆ひ弱で、主人公にして先住民との橋渡し役であるホークアイなしには生き延びられない。先住民アンカスは善の、マグワは悪の化身のようだが共に落命し、先住民全ての悲しい運命の予兆となっている。では、生粋の白人である妹よりも気高い女性として讃えられ、悲劇の最期を迎えるコーラが、黒人奴隷との混血なのはどういう意味だろう…?2021/08/16
鐵太郎
6
一番引っかかったのが、老チンガチグックが最後に歎く場面。滅び行くインディアンという自らの運命に、自分を襲ったモヒカン族の後継者の死が重なるらしい。しかし、嘆きはインディアンの文化と自由が亡くなるであろう未来を見通せる白人の作家の思いであって、インディアンの叫びじゃないと思う。自分たちが 「高貴な野蛮人」 たちの文化を滅ぼす事への忸怩たる思いを持っていた白人たちが、これを読んで涙したんだろうな。2011/08/11
たかっさ
3
200年前の小説!だから文体が読みにくいのか?、ネイティブアメリカンが英語を喋るからそもそものセリフがぎこちないのか?上巻では途中で何回か、これは読み通せないかもと戸惑った。200年前にしては?ネイティブアメリカンに対する姿勢が(侵略者である白人からの)偏見に満ちて蔑んだものではなかった。『万物の黎明』を、ちょうど読み始めたところで、ネイティブアメリカンの歴史を学びたいなと思っていた。まぁ、本作はエンタメ小説ってことで。2024/11/03
半井
2
レザー・ストッキング物語という五部作の一作らしいですが和訳は「開拓者たち」とモヒカンだけのよう…ホークアイが格好よかっただけに残念2010/03/14