内容説明
ダ・タイ・バオ―ベトナムに古来より伝わる奇跡の癒しの力。アラン医師はこの力を得たために妻と家を失い、あまつさえペテン師の汚名を着せられて医師連盟追放の憂き目にあった。そんな彼に救いの手を差しのべたのがマクレディ上院議員だった。だが、この上院議員の申し出も、実は自分の難病を治すためにアランを監禁し、奇跡の力を一人じめする口実にすぎなかった…。『城塞』、『マンハッタンの戦慄』で著名のベストセラー作家が放つメディカル・ホラーの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ねりわさび
16
作者の本業が医者なだけあって病状に対しての描写は細やかで解りやすい。謎の治癒力の正体に明確な答えを提示しないままドラマが閉幕を迎えるのが気になりましたが、とりあえず因果応報をテーマにした大人向けのおとぎ話として楽しめました。2018/11/15
そら
9
自分が壊れていくにも関わらず、難病を癒し続けるアラン。アランを毛嫌いするチャールズの娘を癒すシーンはジンワリきます。 これが、どうナイトワールドに繋がるのか楽しみ。2014/09/06
つるら@turulaJB
6
アドヴァーサリサイクル、最近は扶桑社から出しなおしてるものもあるけど、初期の翻訳版元のバラバラ具合は凄い。 本書も単発として読めるけど、折角だからナイトワールドまで、できれば始末屋ジャックシリーズまで読んでほしい。ジャックはまだ未完だけど、最後は改訂版ナイトワールド出るんだろうな〜2016/08/05
けいちゃっぷ
6
この作者の視線は本当に優しい。優しすぎて甘口になるのは致し方ないですね。こういう希望がある本を読むと、こちらまで優しい気持ちに包まれます。269ページ 2011/03/21
アイゼナハ@灯れ松明の火
3
下巻はイッキ読み。医師アランを頭から疑っていたチャールズが、癒された娘を抱きしめるシーンは涙が出そうになった。そしてラストで背筋がゾクッ。すごく面白かったです。「ナイトワールド」ではもっとも大きな犠牲を払う面々。シルヴィアの哀しみがようやく理解できた気がしました。2010/02/27