感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
elf51@禅-NEKOMETAL
5
犯人に迫る警部と追い詰められていく殺人者,それぞれの心理を描きつつ,最後は極寒の山に舞台が映る。殺人を犯すことで世界と同一化するという犯人の思考と。全く証拠を残さない「殺人者を罰する」から「捕まえて殺す」に変わっていく,警部の心中の誇りから高慢への移り変わりが対比して書かれる。爆発的な展開は起こらないものの,状況を細かく書きつつ複雑に揺れる心理を書き切る,やはりいい作品である。作家に評価する人が多く竹本健治,折原一,翻訳者の白石朗がフェイバリットに挙げている。宮部みゆきの本にもサンダースは出てくる。 2020/10/18
きら
3
上下巻のけっこうなボリュームだったけど、わりとスラスラ読めた。 作者の熱量がそのまま主人公である、ディレイニー署長に伝わって、こちらも引き込まれて読んでしまう。 ラストが大団円で終わるのも、私は好きです。2019/07/01
LeeMetal
1
ミステリーというより警察小説だった。熱い男たちの友情、信頼、葛藤がかなりガッツリ描かれていて、でも犯人側も疎かにしていないからこの上下巻のボリュームになったのね…犯人を追い詰めていくドキドキ感はすごかったけれど最終決戦がズコーッ…(´・ω・`)エピローグで申し訳程度に書かれた登場人物達のその後もエーッ&ズコーッ!でも本作もキャラが魅力的で持っていかれたかな。7つの大罪のうち4つは書かれて出版されているようなので購入!2016/02/28
void
1
【★★★★☆】「殺人行為は愛の、究極的な愛の行為だ。」(20頁) 孤独からの解放、他者や世界との一体化を望む彼は犯行を繰り返す。一方署長ディレイニーは才能と経験、人脈を駆使して犯人に肉薄するに従い「一体化」していき、遂に犯人を追い詰め狂わせていく。残虐な愉悦の笑みとともに。 ディレイニーは「人間性」を失いつつある自分の姿を省みることで、原題"The First Deadly Sin"(Pride:高慢の罪)を自覚し「世界」の崩壊に身を震わす。シリーズものの2作目とはいえディレイニーの罪の自覚は消化不良。2013/03/04
こぎん
0
1985.6.27読了2015/06/28
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- 和書
- にっぽんのメジロ