感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
139
面白かった!犯人捜しが主になる前半と犯人グループに反撃を始める後半どちらもマクリーン特有の凄みがある。頭の良い一等航海士が船上で起こった難事件に挑むうち、船がとんでもない陰謀に巻き込まれていたことに気づき、決死の反撃を開始する。船の上のダイハード!裏表紙でかなり悪質なネタバレがあるので、本書を手に取ったらあれこれ読まずに本文に入ろう。古い文庫版で登場人物の表がないが、大事な人物は念入りに描写してあるので心配はない。後半の密度が高い。高すぎる!2022/09/25
Tetchy
46
展開はまさに船上の密室状態で繰り広げられる本格ミステリだが、物語の半ばで犯人は判明する。実はそこまでが序章に過ぎなく、本書はそこから怒涛の展開を見せる。よくよく考えるとこれは今現在採用されているハリウッドの一大アクション映画のシチュエーションではないか。当時出版すれば映画化が定番だったマクリーンも映像化を意識した創作に移行していったことを気付かされたのはさびしい思いがした。但しそれでもマクリーンの専門知識の造詣の深さには物事の本筋を知り尽くした玄人のそれであり、今回も感嘆させられてしまった。2014/09/23
sakadonohito
16
シージャックもの?前フリとしてコンパクトな原子爆弾が盗まれた事件がありそのせいで舞台となる豪華客船は港で普段より厳重な検索をされる。その港からいかにもな怪しげな一団が乗船し案の定……から始まるダイ・ハードよりもダイ・ハードな展開。面白かったし割と読みやすかったが1ページあたりの文字量や文のサイズのせいか、読むのがすぐしんどくなって中々読み進められなかった。読むのなら若くて気力のあるうちに読むのをお勧めします。2022/10/19
フォレスト
5
もう少し時代が遅ければ、ウォルター・ウェイジャーの某小説のように「ダイ・ハード」のネタに(前記は第2作の原作に採用された)なってもおかしくなかった、主人公がたったひとりでヨレヨレになりつつテロリストに立ち向かうという、まさにダイ・ハード的な活劇。読んだのは大昔で細部はおぼろげだけど面白かったという記憶は揺るぎない。どうして本作の映画化はあんなにもパッとしない有り様になってしまったのか。
すす
3
豪華客船の一等航海士が主人公。 航海中に船員が殺されて…一体誰が何故? と言ったサスペンス。 読みやすい。テンポ良い展開がサスペンスを盛り上げる。主人公もナバロンの要塞のマロリー大尉なみのデキる男(デキ過ぎる気もする) 映画化されているけど、You Tubeでチラッと見た限りでは凡作っぽい。2022/02/04