感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
121
悪党にも普通の生活がある。家庭生活ではそれなりに苦労し、自分なりに仕事に精を出す。しかし、彼らは犯罪者なので、失敗したときに負うものは結構キツい。エディ・コイルの仕事仲間や取引する警察側は、食えないやつばかりで、彼の思い通りにはなかなかいかない。しかし、警察や検察の立場にもなってみれば、犯罪を一掃するなんてできないし、完璧な有罪者に絶対的に刑に服させることが難しいなんてことは、もう本当にやり切れないだろうとこれを読んでみて思った。で、解説で作者の経歴を読んでなるほどと頷く。2016/10/29
NAO
66
題は、『エディ・コイルの友人たち』。エディと彼と関わりのある者たちが描かれていく。だが、エディと関わる者の中には、彼の名前を知らない(エディが本名を明かそうとしないため)者もいる。彼らは、「似た者同士」だったり、「持ちつ持たれつ」の関係だったり、支配する者とされる者だったりする。「友人」といいつつも実は友人なんてとんでもないという間柄で、互いに不信と裏切りを繰り返す。その結果ともいえるラストは、『エディ・コイルの友人たち』という題への痛烈な皮肉となっている。2021/07/16
harass
34
県内図書館の取り寄せを使って借りる。実刑判決を待つ主人公は、判決の日時が迫ることに焦りを感じていた。どうにか罪を軽くしてもらおうと判事と警察に仲間を売ることにしたのだが…… 実に頭のよい連中ばかりで彼らのやり取りが見事だ。小説としては会話が多く、タランティーノ作品のようにやたらに会話が生々しいのだが代名詞が連発するので内容がいまいちつかみにくい。日本語だと苦手な部分だ。だがこの語りのスタイルに面白さを感じた。ネットで調べると映画化されているようだ。日本未公でR・ミッチャム主演だったらしい。2015/09/21
takeakisky
1
複数の登場人物を会話で繋いでいく。テンポがいい分、何が何だか誰がどうだか分からなくなっても読み進められてしまう。はじめのうち、なんだか行ったり来たり読む。まあケチな悪党。エディ。人望もなし。居ないところでは小馬鹿にされ、付き合いは広いが、友だち?誰が。どこが面白いのか、人に訊かれても上手い説明ができないだろうけど、滅法面白い。2023/04/22