感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
111
大作である。「読ませる」小説だった。舞台が太平洋第二次世界大戦の洋上、敵は日本軍。小さな老朽駆逐艦「ケイン号」でのダメ艦長クィーグと士官たちとの葛藤、叛乱その顛末が鮮やかに真正面から描かれる。クイーグがよく描けていた。バカみたいなイチゴ事件も、嵐の場面も、法廷での闘争場面も面白い。この作者もユダヤ人らしいが、作中、副長マリックの無罪を勝ち取った弁護人グリーンウォルド少佐もユダヤ人。今更ながらユダヤ人は勁くしたたかだ。2021/12/14
鐵太郎
10
叛乱の結末、騙した男と騙された男の物語がまず描かれます。しかしこの本で正面にいたのは、実はこの二人、キーファとマリックではないのです。フィリップ・フランシス・クイーグ海軍少佐が何を行っていたかと、ウィリス・シュワード・キース予備海軍少尉のち大尉がいかに成長したか。そして平時ではなく修羅場でどうふるまうべきなのかの教え、なのかな。テーマがこんなに錯綜した深いものなのに、なんだろうこの読みやすさは。よい物語でした。2018/05/23
Mikarin
3
軍法会議後のストーリーはやや意外で注目。2015/09/25
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- 和書
- 風は少女になりたくて