出版社内容情報
不慮の事故によって右足を失ったダンサーの護堂恒明は、AI制御の義足を身につけることで人間性のプロトコルを追究するが――。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
30
不慮の事故で右足を失い、AI制御の義足を身につけることになったダンサーの護堂恒明。彼が人とロボットのダンスを分ける人間性を表現しようと試みる近未来小説。身体表現の最前線を志向するコンテンポラリーダンサーだった恒明の突然の暗転。絶望の中に義足に希望を見出し、自らの肉体を掘り下げてダンスの本質を突き詰めていく恒明。そして認知症が急速に進んでしまい変わり果ててゆく、伝説の舞踏家だった父と向き合う絶望の日々。テクノロジーの進化と限界も実感するなかなか壮絶な展開の中で、ある意味彼ららしい結末が印象に残る物語でした。2025/07/16
富有柿
0
人間性とは、そのプロトコルとは何かというテーマを、【AI・ダンス・介護】と個別の単語だと繋がりを感じられないものを起点に描かれている。終始心を削られる展開であったが、上記のテーマについて、主人公【護堂 恒明】が自身にとっての答えを得る過程をとても美しく感じた。2025/07/27