出版社内容情報
不慮の事故によって右足を失ったダンサーの護堂恒明は、AI制御の義足を身につけることで人間性のプロトコルを追究するが――。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
34
不慮の事故で右足を失い、AI制御の義足を身につけることになったダンサーの護堂恒明。彼が人とロボットのダンスを分ける人間性を表現しようと試みる近未来小説。身体表現の最前線を志向するコンテンポラリーダンサーだった恒明の突然の暗転。絶望の中に義足に希望を見出し、自らの肉体を掘り下げてダンスの本質を突き詰めていく恒明。そして認知症が急速に進んでしまい変わり果ててゆく、伝説の舞踏家だった父と向き合う絶望の日々。テクノロジーの進化と限界も実感するなかなか壮絶な展開の中で、ある意味彼ららしい結末が印象に残る物語でした。2025/07/16
石橋陽子
14
ダンサーの恒明は事故に遭い右足を切断。その後もダンサーであることを望みAIで制御する義足を付ける。ロボットに身体表現をする為のプロトコルを開発すれば、人間と完全に共演者になって踊ることが出来るという。それと対照的な元ダンサーの父。認知症を発症し徐々に記憶が失われていく。人間性を失っていく。そんな経過をプロトコルで制御は出来ない。作品通してヒューマニティ(人間性)とは何かを問う。恒明は父親の介護を通して、また彼女の温かさを感じて、自身の人間性に気付いていく。機械との対比により一層人間の奥深さを感じられる作品2025/10/20
ソラ
11
【読了】C 好みのあらすじではなかったものの、どこか魅かれるものがあって購入。いい意味で思ってたのとは違っていて、この作者の作品の中では個人的には一番好きかも。 2025/10/11
huraki
8
事故で右足を失ったダンサー・護堂恒明の義足を使ったダンスによる新たな表現への挑戦。友人の谷口や父親との対話を通じて、感情を動かすダンスについて本質を追求していく。人が持つ内なる衝動を外へ表現し観客に伝える過程を、ロボットにも適用することは果たして可能なのか?難題を前に父親の介護問題も重なり幾度となく希望と喪失を繰り返す中で、人間性について掘り下げていく文章に圧倒された。恒明たちが辿り着いた境地と父親の姿に心打たれた。2025/08/25
うさぎや
7
人間と機械。精神の保持と喪失。希望と絶望。様々な対比を繋ぎ止めていくのはダンスであり、生きるということ。2025/08/08




