出版社内容情報
激化する独ソ戦のさなか、赤軍の女性狙撃兵セラフィマが目にした真の敵とは──デビュー作で本屋大賞受賞のベストセラーを文庫化
内容説明
1942年、モスクワ近郊の村に暮らす少女セラフィマの日常は、急襲したドイツ軍によって突如として奪われた。母や村人は惨殺され、自らも射殺される寸前、赤軍兵士イリーナに救われたセラフィマは、復讐のため狙撃兵になることを決意する。同じ境遇で戦うことを決めた少女たちと共に訓練を重ねた彼女は、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へ。おびただしい死の果てに目にした“真の敵”とは?本屋大賞第1位。
著者等紹介
逢坂冬馬[アイサカトウマ]
1985年、埼玉県生まれ。明治学院大学国際学部国際学科卒。2021年、本書で第11回アガサ・クリスティー賞を受賞してデビュー。本書は2022年本屋大賞、第9回高校生直木賞を受賞、第166回直木賞候補となった。2023年には第二長篇『歌われなかった海賊へ』を刊行、第15回山田風太郎賞の候補となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
納間田 圭
156
1940年代前半。日本がアメリカを相手にしてた頃。地球の裏側ヨーロッパでも…ソ連とナチスドイツの凄まじい攻防戦があった。こちらも天文学的な人命を費やした。その中で…ソ連が女性を積極性に兵士として登用していた史実を基にしたストーリー。人道を外れた場面描写が多すぎで…とても〇〇。素朴な少女のような彼女達が銃を持った時…異様な目の輝きを見せ敵兵を狩る。女性狙撃兵の精鋭部隊。射撃の瞬間…限りなく無に近づく。極限まで研ぎ澄まされた精神は…明鏡止水に至る。無心の境地で目標を撃つ。そして命中した瞬間に世界が戻ってくる2025/02/12
やな
119
予測不能な展開、途中で読み進めるのが怖くなりながらも読了。平和のありがたさを改めて感じることができた。2025/01/05
あきら
112
これは傑作ですね。 一文たりとも読み飛ばす箇所は見当たらない。 常に漂う緊張感と喪失感。感情を揺さぶり続ける物語でした。2025/02/19
みこ
101
噂に違わぬ面白さであった。戦争に対する著者の思想的なものや説教臭さがなくエンタメとして書かれているので読みやすい。家族や村人がドイツ兵に殺される第一章は鬼滅の刃の第一話のようだし、個性豊かな同級生と共に狙撃兵として成長していく第二章は朝ドラではお決まりの展開だし。終盤でタイトルを回収するシーンは切なさが広がる。著者は本書の重版と現実の戦争に複雑な思いを重ねたようだが、むしろ翻訳されて世界中の人に読んでもらいたい。実写化は厳しいがアニメ化ならどうにかなるかも。2025/01/27
inami
101
★3.5 2年半ほど前、米海軍特殊作戦部隊の狙撃手だった軍人の書いた戦争回顧録【ネイビー・シールズ最強の狙撃手】を読んだ。その狙撃手も敵からは「ラマディの悪魔」と呼ばれ、国からはアメリカ軍事史上もっとも多くの敵を射殺した狙撃手として讃えられた。この物語は第二次世界大戦、モスクワ郊外の小さな村に侵攻したドイツ軍に、少女の母と村人が惨殺されるというところから始まる。物語は最初から最後まで緩むことなく緊迫した場面が続く。最後にタイトルの「敵を撃て」という言葉の投げかけをどう自分の心の中で受け止めるのか? 2025/01/10
-
- 電子書籍
- 苺ましまろ(4) 電撃コミックス