出版社内容情報
BLとSFから、第一線の作家たちが集結!ふたつのジャンルを架橋しながらその未来を創造する、唯一無二のアンソロジーが誕生。
内容説明
BL(ボーイズラブ)―男性同士の性愛、親密さや関係性を描く創作ジャンル。暴力が排除された管理社会で痛みを欲する榎田尤利「聖域」、成り上がりのIT長者から謎の猛烈な求愛を受ける竹田人造「ラブラブ☆ラフトーク」、オメガバースを扱った文化人類学SFの琴柱遙「風が吹く日を待っている」、世界を変容させてしまう男を描く一穂ミチ「BL」など、全12篇。BLとSFの両ジャンルを架橋する超豪華アンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
minami
39
一穂ミチさんの名前があったので手に取った。BLSFアンソロジー。BLもSFもあまり読まない。でもBLSFというジャンルがあるのかと興味も湧いた。全部で12篇。漫画もあって、想像以上に面白かった。新しいジャンルに踏み込んだ私。ただ、BLと分かって読んでいるので不意打ち感少なめに感じてしまうのは仕方がないか。いつも物語に不意打ちを求めてしまうので。ハラハラして深層心理を探るような「テセウスを殺す」とファンタジーも感じる「聖歌隊」は特に好みだった。今年はSFをもっと読もうと密かな抱負があるので出だし良好だった。2025/02/18
❁Lei❁
32
雑誌の特集を読み損ねていたので、うれしい文庫化です。まず、中村明日美子の美麗な表紙イラスト、この一枚からアレコレ想像を膨らませることができて楽しいです。よかった作品は次の通り。人工的な生命維持が可能になった世界で、それでも痛みを共有する、榎田尤利「聖域」。未知の生命体に拉致され、過酷な実験から解放される方法を探す、小川一水「二人しかいない!」。地球人の存亡をかけ、個人的な愛のあり方を問う、樋口美沙緒「一億年先にきみがいても」。極端なものから日常系まで、SFの多様さに触れることができて面白かったです。2025/03/16
あんコ
19
★★★☆☆木原音瀬さんの話が読みたくて買った本。確かにBLとSFは違和感なく合う。なるほど!!と思う話から幻想的で美しかったり私には…と思う話まで幅の広い話が描かれており面白く読めた短編12話。ただ、面白いわりに読むのに時間が掛かった(T_T)個人的には榎田尤利さんの「聖域(サンクチュアリ)」尾上与一さんの「テセウスを殺す」木原音瀬さんの「断」 が良かった。榎田さん尾上さんは愛だね、愛!!木原さんはぶっ飛んだ設定だけど最後はやはり木原節炸裂。そして相変わらず性格悪い人書かせたら上手い、笑。木原さんに満足♪2025/01/15
稽子
17
★★★+ SF、BL、アンソロジー。いや面白かった!読んでよかった~。アプローチの仕方がそれぞれ違っているし、笑える話もあって良き哉。BLが気にならないなら、恋愛エンタメSF短篇集として読める。気に入ったのは「聖域」榎田尤利、「二人しかいない!」小川一水、「ラブラブ☆ラフトーク」竹田人造、「風が吹く日を待っている」琴柱遥、「テセウスを殺す」尾上与一、「BL」一穂ミチ。どの短編も一定水準以上の作品で楽しめました。……ただし木原音瀬、てめーはダメだ!(昔読んだ別小説の悪印象が拭えず。今回も不快感が強かった)2025/01/29
おーすが
10
SFならBLでも百合でも、もうむしろなんでもありでしょ、とは思ったが、よんでみるとそういうことではなく、BLのなんたるかはやっぱりラブにあるのだなあということがよくわかった。工夫ある作品が多く飽きないが「聖歌隊」と「風が吹く日を待っている」は背景の書き込みが贅沢でお気に入り。トップバッターの「聖域」もこれぞという感じで良かった。吟鳥子のBL史漫画がいい仕事。2025/02/28