出版社内容情報
2人だけの特別な関係になった空魚と鳥子。
裏世界の解明も進んできたなかで、より深部
へ進んでいくための調査と探求が始まった。
内容説明
恋愛というのは本当につまらないと思う―仁科鳥子と2人だけの特別な関係になった空魚。けれど知人にもいったい何をどうやって伝えたらいいのかと葛藤の日々。そんななかでも裏世界を解明するための探検と研究は進んでいく。大学の夏休み、空魚たちはDS研の依頼で、“山の牧場”を使った民間軍事会社の対裏世界用の訓練に協力することに。そこにはあの潤巳るなも参加するらしく―?怪異サバイバル、新展開の第9巻。
著者等紹介
宮澤伊織[ミヤザワイオリ]
秋田県生まれ。2011年、『僕の魔剣が、うるさい件について』(角川スニーカー文庫)でデビュー。2015年、「神々の歩法」で第6回創元SF短編賞を受賞。冒険企画局に所属し、「魚蹴」名義で『インセイン』(新紀元社)などTRPGのリプレイや世界設定も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なっぱaaua
70
今巻はあまり怖くなかった。続マヨイガ。外館とハナはもういない。小桜と霞&続神保町ゲート。霞は一体誰かはまだ分からないが養子縁組ですか。裏世界のビル物理で壊してるし。今回のメインは空魚と鳥子&辻とるなが絡む山の牧場に作る中間領域でのトーチライト社の訓練。笹塚氏は最初男性かと思っていたら女性だった。るなの能力が声だけでなく怖さをクリエイトすることだとは。空魚が気遣いの人なのに人に興味がないというところを自ら理解するのだが。次の展開はどうなるのか。全く読めないですね。2024/05/29
眠る山猫屋
69
さて最新刊。マヨイガへの再訪から。裏世界に暮らしているはずのハンターの外舘と猟犬ハナ。再会は叶うのか、いや裏世界はそんなに甘くないという事を実感させられる空魚と鳥子。二話目は、霞を引き取った小桜に嫉妬する空魚がかわいいというか拗れているというか。裏世界のアプローチ素材である“怪談”を逆利用しようとする小桜の挑戦。護るべきものが増えた小桜の覚悟が健気だ。そして表題作では、山の牧場をベースに整え、傭兵たちとの共同キャンプ。るなの更正への一歩でもある。(続)2024/05/25
芳樹
69
三編のエピソードから構成された今回ですが、クリティカルな動きはあまりなく、今後の展開を見据えた繋ぎの回、いわゆる伏線を敷いたの回かなという印象を抱きました。とはいえマヨイガ再びの回はしっかり怖かったし、霞を引き取った小桜にこれまで見せたことのない感情を抱く空魚に微笑ましく思ったりしました。そして”るな”の社会復帰に向けた最後のエピソードにも心温まりつつ、そしてもうソロキャンはできないじゃないか!と思わせるくらいの怖さがありました。今回のお話を踏まえて今後の展開がどうなるか。続きをとても楽しみにしています。2024/05/29
ひさか
62
2024年5月ハヤカワJA文庫刊。書き下ろし。シリーズ9作目。獅子の卦、カイダンクラフト、第四種たちの夏休み、の3つの連作短編。続きがあるのかを心配していたが、裏世界からの干渉は変わらずにあり、今回も話のテンションは高い。るながファミリーに加わっての裏世界との遭遇戦が圧巻。驚きに満ちた展開は、満足。裏世界を定義していく空魚と鳥子の二人とそのファミリーの活躍にワクワクする。次巻が楽しみ。2024/06/21
オセロ
53
作者さん9冊目。 裏世界でマヨイガの主に出会ったと思われる老婦の様子を見に行く話はなかなか怖かったけれど、今回は何と言っても山の牧場を舞台にしたDS研主催のキャンプを通じてのるなの更生がメイン。今までは何とも思ってなかったけど、るながだんだん魅力的に思えてくるから不思議なものです。2024/06/18