出版社内容情報
セラエノ星系の人類が新たな文明を模索する一方、工作艦明石の椎名ラパーナは知性体イビスとのファーストコンタクトを展開する。
内容説明
アイレム星系・惑星バスラの軌道上に構築されたアイレムステーション。西園寺恭介らは、消息を絶った椎名ラパーナの手がかりを得るため、異種知性イビスの地下都市を探ろうとしていた。そんなとき椎名からの通信電波が届く。一方、工作艦明石の狼群妖虎と松下紗理奈は、地球圏とのワープ不能の原因を探るため、無人探査機E1によるワープ航路探査実験を開始する。しかし、待ち受けていたのは予想もしない事態だった…
著者等紹介
林譲治[ハヤシジョウジ]
1962年北海道生まれ。臨床検査技師を経て、1995年『大日本帝国欧州電撃作戦』(共著)で作家デビュー。確かな歴史観に裏打ちされた架空戦記小説で人気を集める。科学的アイデアと社会学的文明シミュレーションが融合した作品を次々に発表している。ミリタリーSFシリーズ“星系出雲の兵站”で、第41回日本SF大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
99
異種知性体に捕われていた乗組員が帰還し、セラエノの150万市民を食べさせるためのシステムも稼働へ動き始めた。危機管理にあたって行政が遅滞なく進み、政治家の利権漁りや官僚の権限綱引きが一切ないのは過去作品でも見られた展開で、政治や社会問題などは関係ないとパスして合理的な動きしかしない科学のみを物語の動力源とする。過去作品でもその辺に苦心して、結局は書き割り程度になってしまったが、もう少し何とかならないか。加えてワープ航法の矛盾や異常が次々と明らかになり、把握が難しい。ドラマ性が欲しい読者は多いのではないか。2023/03/02
fukumasagami
26
異星人の事情とワープの構造がわかってきて。2023/02/10
山ろく
20
このシリーズでは誰もがとにかく互いに話をする。しかも感情のぶつかり合いで声を荒げたり、独りよがりの暴走で皆が迷惑するような展開もほぼなく、相次ぐ困難な状況で描かれる会議交渉報告連絡打ち合わせが物語をぐんぐん加速させていく。そこが小気味いい。コミュニケーションは仮想空間で効率的に、でもリアルな対面での一体感も大切、というのもまたいい。マネジメント・コンビナートという、限られた人材の最大限の有効活用を目指した行政分散処理のアイデアはうらやましい限りだが、どうやれば機能するのかよく呑み込めない。そこは歯がゆい。2024/03/07
tom
20
待ちくたびれて、ようやく図書館から配本。たぶん、私の前に借りた野郎が、返却遅滞を続けたものと思われる。おかげさまで、第二巻に何を書いていたのか記憶の彼方。ちなみに第四巻は、すぐに借りることができた。きっと、野郎は、この本に読み疲れて、4巻は借りなかったのだろう。図書館本の期限はちゃんと守ってほしい(笑)。ということで、続巻もあるからサラサラと読み終える。話はどんどん大きくなる。どこに進むのかという期待もある。でも、ファーストコンタクトの緻密さは、先に読んだ「法治の獣」に一票か。2023/11/18
ぽんすけ
15
つくづく思うんだけど、理論が解明されてない技術は使っちゃダメゼッタイ!ワープ危なすぎるでしょ。いままでよくなぁなぁで使ってたなレベルの代物。宇宙植民黎明期には行方不明艦が多数出たっていうけど、よくこんなイチかバチかの方法取ったなとしかいえない。ドルドラ星系の人たちよどうか今後も無事でいてください。アーシマはボイドのせいで星系が孤立しなければ、平穏に任期を全うできたろうに不運としかいえないけど、政治家としては実に有能だからセラエノの人々にとっては幸運だね。有事にトップが無能だと目も当てられないことになるから2024/01/11