脳のなかの天使

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  • サイズ B6判/ページ数 456p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041101049
  • NDC分類 491.371
  • Cコード C0098

出版社内容情報

丸に尻尾を描いただけで豚のお尻に見えてしまうのは脳が必要な情報を瞬時に補って認識しているから。進化の過程で脳細胞が発達させてきた人間らしさとは何かの謎に迫る一気読み必至のエンタメ科学ノンフィクション!

内容説明

バナナに手をのばすことならどんな類人猿にもできる。しかし、星に手をのばすことができるのは人間だけ。類人猿は森のなかで生き、競いあい、繁殖し、死ぬ―それで終わりだ。人間は文字を書き、研究し、創造し、探求する。なぜ人間だけユニークな進化を遂げているのか?神経学者が解明する脳と心の謎。

目次

はじめに―ただの類人猿ではない
第1章 幻肢と可塑的な脳
第2章 見ることと知ること
第3章 うるさい色とホットな娘―共感覚
第4章 文明をつくったニューロン
第5章 スティーヴンはどこに?自閉症の謎
第6章 片言の力―言語の進化
第7章 美と脳―美的感性の誕生
第8章 アートフル・ブレイン―普遍的法則
第9章 魂をもつ類人猿―内観はどのようにして進化したのか

著者等紹介

ラマチャンドラン,V.S.[ラマチャンドラン,V.S.] [Ramachandran,V.S.]
カリフォルニア大学サンディエゴ校の脳認知センター教授及び所長。ソーク研究所兼任教授。十代の時に書いた論文が「ネイチャー」に掲載された神経科学者。視覚や幻肢研究で知られ、アメリカのみならず日本でもその研究内容は新聞・テレビなどで報道され大きな話題を呼んでいる

山下篤子[ヤマシタアツコ]
1952年生まれ。翻訳家。北海道大学歯学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zirou1984

47
原題『The Tell-Tale Brain』。進化の著しい脳神経科学という分野において、もはや古典の風格すらある『脳のなかの幽霊』の主題を現代的にアップデートした内容。今回は文化の形成や言語能力といった人間らしさを成り立たたせる要素により接近しており、中でもメタファーを共感覚の一種として考える視点やミラーニューロンと芸術の関係性についての考察はとても刺激的。言語の起源についてもチョムスキーやピンカーの学説を踏まえながら、それを実証的に説明していくその知性溢れる語り口はとても腑に落ちて、しかも楽しいのだ。2014/08/12

i-miya

33
2013.06.02(読んだわけではありません、日経新聞読書欄から)(著者=米カリフォルニア大学サンディエゴ校教授) (長谷川眞理子書評=総合研究大学院大学教授) (見出=美を感じるヒトの特性に迫る) ラマチャンドランは脳神経科学者、奇妙な症例や巧妙な実験、明らかにされる脳の働き。 面白い著作続々、今回もOK。 ヒトが他の生物と違ってユニークな心持つことになっている神経基盤に迫る。 ここでは芸術、アートにかかわる問題を取り上げよう。 2013/06/02

踊る猫

31
『脳のなかの幽霊』は脳の機能や患者たちの病理にフォーカスを当ててそこから人類の脳の不思議・神秘をミクロな次元から(つまり「細部」に光を当てて)解明していった印象がある。それと比べると本書のアプローチは実にマクロな次元において、人類の脳が芸術や哲学をどう切り開いてきたかを説いている印象を受ける。ざっくり整理してしまうなら「人類の脳が『概して』この世界をどう捉えているか」「どう捉えられうるポテンシャルを孕むか」という見方がベースにあると睨む。その意味で本書は応用編として読みごたえあり、十二分に満喫できたと思う2024/06/26

山口透析鉄

23
市の図書館本で。やはりラマチャンドラン先生の本もハズレはないです。 ミラーニューロンに言語の起源、芸術や自意識の起源等、非常に根源的な話題も興味深く取り上げられています。共感覚や幻肢痛に関する記載も当然あります。美術に関しては作者の祖国、古代インドの作品も多く取り上げられているのが良いです。自閉症に関する考察もやはり鋭いです。美と脳、アートフルブレイン、これらは共同生活に必要な仮の技術の伝授等にも有益だったろうという記述も良いです。 脳の機能に関しては今世紀中にだいぶもっとはっきり分かるだろうと予測して↓2025/03/21

bapaksejahtera

18
「脳のなかの幽霊」の12年後の本。脳神経科学の専門家が豊富な臨床医としての経験を踏まえて、人間の脳の仕組みの不思議さと斯界の学問発展を期待しつつ述べた啓蒙書。前掲書に引続き錯視、幻視、失語症、自閉症他様々な興味深い症例を提示しつつ、敷衍してミラーニューロンを取上げ、これがヒトの進化や自己認識という人間の特性を如何に構成するか等に及ぶ。当該学問が化学に例えれば周期律表に手探りで進む段階であり、多様な症例と脳部位との関係でどれを取上げても博士論文に値するとして後続を鼓舞する。座頭市の剣は盲視で説明できるのかも2022/12/14

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