出版社内容情報
交渉の末、ついに日本はオリオン集団の大使館設置を決定した。いまだ彼らの真の思惑を掴みかねていた秋津は国際会議に出席し……
内容説明
昭和15年10月。ウルシー環礁からの第四艦隊撤退を受け、米内首相を中心とする陸海軍統合参謀本部の第一回会合にて、オリオン集団の大使館開設が承認される。宇宙空間から銚子沖へと投下された巨大客船ジン・ガプスを大使館としたオリオン集団に対し、猪狩周一と桑原茂一海軍少佐が日本代表として交渉に向かう。一方、オリオン太郎らが世界各地で不穏な活動を開始する頃、国際情勢を一変させる驚愕の知らせがもたらされる。
著者等紹介
林譲治[ハヤシジョウジ]
1962年北海道生まれ。臨床検査技師を経て、1995年『大日本帝国欧州電撃作戦』(共著)で作家デビュー。確かな歴史観に裏打ちされた架空戦記小説で人気を集める。ミリタリーSFシリーズ“星系出雲の兵站”(ハヤカワ文庫JA)で、第41回日本SF大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
95
前巻までもたもたしていた話が不意に加速し始めた。ヒトラーとスターリンの急死に巨大な大使館船の出現、オリオン集団の思いがけぬ動きと怒濤のエンタメ的展開が続発する。ここまで事実上放置されてきた英米も強引に食い込もうと手を出したが、艦隊を壊滅させられた上にオリオン側から強硬な要求を突きつけられた。この手の歴史改変SFでは公然たる攻撃以外で異星人の存在が明らかになる例は少ないが、今作では珍しく超科学的パワーによる地球秩序の静かな混乱が描かれていく。地球規模の黒船来襲に、日本は90年前の経験を生かせるのかが焦点か。2021/11/20
鐵太郎
28
オリオン集団が裏で糸を引いているのかいないのか、歴史は史実からどんどんとんでもない方向に捻れていきます。前巻で日本帝国憲法があっさり改正されて軍事が政治の下になりましたが、この巻であの時代を動かしたキーマン二人が、あっさり死にます。そして史実の世界で最大の勢力を持っているアメリカ合衆国が、まったく力を出せない。まるで日本に買収されたのか、ってはずはないよね。(笑) 作者はどんな物語を描きたいのか。さっぱり分からぬまま、次が最終刊なのだそうな。うーん、よく分からん。2022/01/17
tom
20
長い間待って、ようやく第四巻の配本。この本を読み終えても、いまだにオリオンから来た知性体の意図も目的も不明。第五巻にどんな展開が待っているのか。林さんの書くSFだから、アッと驚く展開になるはずだけど、どうなるのか。期待の予感とハズレの予感とが同時並行の現在。ちなみに、この巻ではヒトラーが暗殺され、スターリンは事故死。アメリカは日本への輸出で経済不安が一休み。でも、アメリカの傲慢さで世界は一波乱となりました。第五巻では、満州で働いていた女性医師が重要な役割を担うという予想をしていうのだけど、どうなるか。2023/02/25
Tadashi_N
14
理解できないものに対する不安は、人間の持つ性のようなものか?2023/04/30
ボタン
10
益々面白くて一気読み。歴史もかなり変わって来た。どういう決着をつけるのだろうか?そこも楽しみ。早く続きが読みたい。2021/11/10