出版社内容情報
演算機による情報収集を進めるオリオン集団。独ソ、日本陸海軍など各勢力の思惑が渦巻く中、秋津はソ連での国際学会に出席する
内容説明
片桐英吉海軍中将を司令長官として臨時編成された第四艦隊が、オリオン集団の拠点をめざして西太平洋を南下していた。そこには首席参謀として乗り組む武園義徳の姿もあった。東京では大使館設立準備班が組織され、猪狩周一と桑原茂一がオリオン太郎との対話を進めていた。一方、ソ連邦に滞在する秋津俊雄と外務省の熊谷亮一は、オリオン集団が駆使する演算機の真相を探るため、レニングラードのプルコヴォ天文台へと赴く。
著者等紹介
林譲治[ハヤシジョウジ]
1962年北海道生まれ。臨床検査技師を経て、1995年『大日本帝国欧州電撃作戦』(共著)で作家デビュー。ミリタリーSFシリーズ“星系出雲の兵站”(ハヤカワ文庫JA)で、第41回日本SF大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
82
星系出雲シリーズに比べ話の進み具合が亀の歩み。第二次大戦中の国際政治情勢描写が必要なのはわかるが、SFに求められる娯楽性や物語のメリハリを犠牲にしている。かと思えば明治憲法改憲があっさり成立して陸海軍の統合参謀本部が設置されるなど、それだけで1冊分になるドラマが数行で片付けられ米内内閣が長期政権化する矛盾。オリオン太郎らの行動も妙にもったいぶって、いくら地球との科学技術格差が隔絶していても嫌味すら感じてしまう。数か月ごとに刊行される連作長編ならば、続きを読みたいという読者の意欲をかきたてる工夫が必要では。2021/08/13
Koning
44
3巻目は大使館を作るかどーかっつーところで、ソ連で日本で独自に開発したと思われていた暗号機とほぼ同等のものをソ連でも独自に作っててオリオン太郎たちの誘導か?とかそういうのはありつつもて停滞巻なのは間違いない。たぶん、読者はみんなこの巻はダレてんじゃないかろうか?(ただ、複線張りまくり巻なんだろうなーとは思うんだけど2021/08/27
tom
23
ようやく図書館が配本してくれた。2巻目を読んだのは、たぶん3か月ほども前のこと。それはどうでもいいことなのだけど、物語は少しも進行しない。時代は太平洋戦争の前夜。突然宇宙人が現れた。すごい科学技術も持っている。それをあからさまに示す。でも、何をしたくて地球に現れたのか、さっぱり分からない。いずれの国も、戦争前の利害関係があるから、疑心暗鬼になって、その意図を探す。こんな話が3巻目に至っても続く。4巻目を読むのもたぶん3か月後。どんな展開が待ってるのか、楽しみのような、どうでもいいような(笑)。2022/08/13
鐵太郎
23
前回の最後のシーンがある意味抱腹絶倒の共産主義平和論だったので、この巻ではまずそれを引っ張ってくるかと思ったら、新編成の第四艦隊のウルシー環礁遠征で始まります。ここを占拠しているオリオン集団への軍事的威嚇的なもの。結果としては、外宇宙から現れた地球外生物に対してどう対処していいかわからない人類の試行錯誤と言えるか。しかし他の世界で進行しているのはオリオン集団の「大使館」設置。そしてソビエト連邦が主導しようとする科学者による国際会議。情勢はますます混沌として、お話は一向に進みません。困ったね。(笑)2021/12/16
Tadashi_N
15
オリオン集団、恐るべし。2023/04/21
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