出版社内容情報
博物館惑星創立50周年記念フェスティバルの夜、自警団員の兵頭健は国際的な贋作組織の摘発に臨むが――美をめぐるシリーズ大団円
内容説明
地球の衛星軌道上に浮かぶ巨大博物館“アフロディーテ”は、創立50周年を迎えようとしていた。新人自警団員の兵藤健は、同期で総合管轄部署“アポロン”配属の尚美・シャハム、情動学習型AIの“ダイク”らとともに、日々の警備任務にあたっていた。いよいよ50周年記念フェスティバルの夜、健は国際的な贋作組織の摘発に臨むのだが―。『永遠の森』『不見の月』に続く“博物館惑星”シリーズ第3作。日本SF大賞受賞。
著者等紹介
菅浩江[スガヒロエ]
1963年京都府生まれ。高校在学中の1981年、“SF宝石”誌に短篇「ブルー・フライト」を発表して作家デビュー。数年のブランクの後、1989年の第1長篇『ゆらぎの森のシエラ』で活動再開。以来、人間の普遍的な感情をこまやかな筆致で描いたSF、幻想小説で人気を集める。とくに『永遠の森 博物館惑星』(以下、ハヤカワ文庫JA)は、「ベストSF2000」国内篇第1位、星雲賞、日本推理作家協会賞と、ジャンルの枠を超えて高い評価を得た。続くシリーズ第2作『不見の月―博物館惑星2』の表題作で星雲賞日本短編部門を、第3作である『歓喜の歌―博物館惑星3』で日本SF大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふりや
17
博物館惑星・アフロディーテの創立50周年を目前に控え、AIのダイクと共に日々の任務にあたる兵藤は、とある美術犯罪組織に接近します。果たして彼らの正体とは?全6話、それぞれが独立した物語でありながら、連作短編になっています。同僚の尚美や先輩たちと協力しながらトラブルを解決し、やがてラストで大きな真相にたどり着きます。美にまつわる心に沁みるストーリー。特にクライマックスのフェスティバルの描写は圧巻!あとがきで気付いたのですがAIの「ダイク」って…そういうことか!と鳥肌立ちました。素晴らしいシリーズでした! 2021/04/19
かとめくん
15
前作「不見の月」から続く連作。新人自警団員の兵藤と新人調整官のシャハムのペアが引き続きいろいろなトラブルにあたるが、今回はトラブルもスケールアップ。遺伝子操作で生まれた昆虫、謎が謎を呼ぶ贋作、写真が撮れなくなった写真家に贋作組織や野良AIなどが絡み、迎えるは50周年フェスティバル。人が美を愛でるために護らなければならないもののため、新人ペアが駆け抜ける。2022/10/25
ソラ
14
三部作完結。ずいぶん前に1作目を読んだときはあまりピンとこなかったのだけれど今回続けて2作目、3作目を読むとすっとストーリーが入ってきて面白かった。特に最終話はクライマックスへ向けての流れが好き。2021/05/09
マッキー
10
伏線回収されて、前巻の登場人物もちょこっと出てきて、特に最後の歌のシーンは映像化してほしいぐらいの華やかさだった。異色SFだけど、二人の掛け合いが面白くてテンポも良かった。2022/10/23
shouyi.
8
「博物館惑星」シリーズの最終巻。連作形式で描かれる物語も一応この本で終了となる。{続篇を期待したい)最後の大団円がすばらしい。美とは?美を感じる心とは?を素直に味わえる物語である。2022/08/14