出版社内容情報
本能寺の変の後、謎めいた島の館へと招かれた羽柴秀吉、柴田勝家、高山右近、徳川家康の4人は、一人また一人と殺害されていく。
内容説明
本能寺の変で織田信長が明智光秀に討たれてから十数日後。死んだはずの信長を名乗る何者かの招待により、羽柴秀吉、柴田勝家、高山右近、そして徳川家康という四人の武将は、三河湾に浮かぶ小島を訪れる。それぞれ信長の死に対して密かに負い目を感じていた四人は、謎めいた童歌に沿って、一人また一人と殺されていく―。アガサ・クリスティー『そして誰もいなくなった』にオマージュを捧げた本格時代ミステリの傑作。
著者等紹介
田中啓文[タナカヒロフミ]
1962年大阪府生まれ。神戸大学卒業。93年「凶の剣士」で集英社ファンタジーロマン大賞佳作入選、ジャズミステリ短篇「落下する緑」で「鮎川哲也の本格推理」に入選して作家デビュー。2002年「銀河帝国の弘法も筆の誤り」で星雲賞日本短編部門、09年「渋い夢」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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W-G
362
『そして誰もいなくなった』を戦国武将でオマージュするという試みは楽しいが、著者の狙いはミステリすることにはなく、本能寺の変の異説披露にあったようだ。着想がそこなので、物語自体も、ミステリの皮を被った何か、という中途半端な出来。創作の童歌は不気味さがあり、皆が島に揃っていくまではかなりムード出ていたのに、人物が軽すぎた。高山右近などは、童歌との整合性のためだけに見繕った印象。本能寺の変の解釈は面白いが、のけもの島に建物が建てられた経緯や、弥助をどうやって探しだしたかetc、細かい部分のぶん投げがひどい。2021/02/18
麦ちゃんの下僕
189
[孤島の惨劇2020①]島:三河湾に浮かぶ無人島「のけもの島」◇斜線堂有紀さんの「怪作にして名作」という評価に納得!遅読の僕が1日で読み終えてしまうくらい面白かったです!織田信長に対して“後ろめたい秘密”を抱える羽柴秀吉・柴田勝家・高山右近・徳川家康が、死んだはずの信長から届いた書状で孤島に集められ、わらべ歌の歌詞通りに次々と殺されていく…という、まさに『そして誰もいなくなった』のパロディ(笑) 最大のネタに関してはあのシーンの時点で気付きましたが…とにかく結末が秀逸!“あの説”への結び付け方が見事です!2021/01/10
しんごろ
183
歴史の解明されてない謎のすき間をついた、ミステリー仕立てに見事と言いたい。本能寺の変の後、織田信長が生きていたという話からスタート。読んでてこんな説もありえるのかなと、思わず信じてしまいそう。いろいろと想像をかき立てれるから、だから歴史は面白い。ただ歴史好きにも、ミステリー好きにも、どっちつかずの感じで物足りなさも感じる気がしないでもない。本格的なものを望まなければ、肩肘はらずに力が抜けてサクサクと楽しく読めるかな。好みは別れそうだね。ひと言だけ言わせてもらうと秀吉が、じゃっかんウザイ(笑) 2021/06/27
みっちゃん
175
絶海の孤島に降り立つ4人の武将。羽柴秀吉、柴田勝家、高山右近、徳川家康。呼び出したのは事もあろうか、本能寺で死んだはずの織田信長。信長寺なる謎の館で1人、また1人と…歴史もの、館もの、クローズドサークルに「そして誰もいなくなった」的なてんこ盛り。さらにバカミスすれすれの奇天烈さ。お国言葉丸出しの秀吉と勝家の珍妙なやり取りには思わず笑ってしまう。事の真相には「んな、アホな!」と思わないでもないが、この結末からきちんとあの「清洲会議」へと繋がるのはお見事!楽しませてもらったわ。2021/01/20
nobby
149
いや、これむっちゃ面白かった!バカミスと聞いていたオチに「上手い!」と感銘した自分って!?「余は知っておるぞ。」本能寺の変で死んだはずの信長から呼び出し喰らった秀吉・家康・勝家・右近。その場所は「もののけ」ならぬ「のけもの島」…ちまたで流行る謎のわらべ歌…うさぎが赤鬼が山猿が狸が、歌詞に合わせて次々と殺されていく面々…そこにドッペルゲンガーやらザンビに僵戸(きょうし)に木乃伊(ミイラ)なんて匂わされたらたまらない!極めつけは『ホース』を使え…とはまさかのジェダイ(笑)いや、実に史実に合わさり楽しかったな♬2022/01/16
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