出版社内容情報
動くものしか認識できないヴィンダウス症のキム・テフンは、近未来の中国・成都でこの難病を巡る都市AI計画に巻き込まれていく
内容説明
ヴィンダウス症―動かないもの一切が見えなくなる未知の疾患。韓国の青年、キム・テフンはこの難病から苦心の末に寛解状態へと持ち直したことで、中国・成都の四川生化学総合研究所から協力を要請される。それはヴィンダウス症の寛解者と都市機能AIを接続する未曾有の実験だった。様々な思惑が交錯する近未来の中国で、都市と人間をめぐる巨大な計画が動き出していく―第8回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作。
著者等紹介
十三不塔[ジュウサンフトウ]
1977年生まれ、愛知県出身。『ヴィンダウス・エンジン』で第8回ハヤカワSFコンテスト優秀賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おーすが
16
静止しているものが見えなくなるヴィンダウス症。ある方法で寛解に至った主人公は中国・成都の都市機構からヴァイタルを都市運営に反映させて欲しいと頼まれる。成都戴天!アジアを舞台に繰り広げられるサイバーパンクな冒険活劇。山海経を思わせるようなスケール、魅惑のガジェットてんこ盛り。文学的な感情表現は、選評では不評だったけど個人的には好き。ウー医師は意外といい人だった。2021/11/08
緋莢
15
<僕には運動していないものが見えないのだ>ヴィンダウス症という難病を患うも、何とか持ち直したキム・テフン。そんなキムに、「君には成都と接続され 都市を動かす機関(エンジン)となってもらいたい」という依頼があり… 第8回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作品。都市機能AIに〝八仙”の名前がつけられているというところや、後半の派手な展開などは、好みでしたが、面白かったかというと う~ん…となってしまいます(続く2023/09/05
sanosano
15
途中から読むのが辛かった。作者が好きなものを散りばめて、それっぽい雰囲気でお話つくりましたって感じです。こういうの読むと、ちゃんとしたSF作家ってすごいんだなぁと。想像でしっかりとした世界が構築されているもんなぁ。これはSF風くらいかな。2020/12/07
hide
14
静止物が視認出来なくなる奇病「ヴィンダウス症」という設定が面白く、高い文章力とテンポのいい展開でサクサク読み進められられるサイバーパンク。反面、付録の選評にもある通り設定や登場人物の掘り下げが浅いので、SFとしては消化不良で迫力に欠ける。良くも悪くもウェブ小説的な一冊。 読んでいるときは楽しかったがあまり記憶には残らなさそう。2021/06/08
オキアミ
13
SF作品。架空の病気ヴィンダウス症を題材にした作品。移動中の物体のみ認識可能になり、徐々に全て視えなくなり死に至る病。AI管理下の成都など、世界観がとてもかっこいい。特に神剣のシーンは是非映像で見てみたい。終盤の急展開はやや着いて行けなかった。要素が多すぎてページが足りてないように感じた。面白かった。2024/12/06