出版社内容情報
冷静な岡っ引きの薫、明るく元気な下った引きの芽衣。手と手とたずさえ、背中合わせで事件に挑む。二人の絆がまぶしい相棒小説。
内容説明
札差の娘にして岡っ引きの薫と、同心の娘なのに薫の下っ引きをする芽衣はともに15歳。ある日、芽衣が長屋の前に捨てられた赤子を見つけ、ふたりで親捜しを始めると、長屋の夫婦が育てたいと申し出てきた。そんな折、ある札差で赤子の神隠しがあり、寝床には榎の葉が一枚残されていたという不思議が。まもなくその札差の丁稚が米蔵で男の骸を見つけるという騒動があり…。ふたりで謎を解き明かす、薫と芽衣の友情事件帖。
著者等紹介
倉本由布[クラモトユウ]
1967年生まれ。静岡県浜松市出身。共立女子大学文芸学部卒。高校在学中の1984年、『サマーグリーン/夏の終わりに…』で第3回コバルト・ノベ大賞に佳作入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
65
時代小説擦れしてしまった読者としてはツッコミどころ満載だけど、倉本先生だからそういうことは織り込み済みなのかもしれないな、と思ったりしながら芽衣の可愛いのか頼もしいのかよく分からない天然キャラにひきずられて読み終えた。薫の身の上や事件に登場する人たちはみんな切ないが『御米蔵の殺人』のお絹さんが一番切ないかもしれない。2021/04/13
サケ太
21
とても良かった。商家の妾の娘、薫。武家の娘、芽衣。1互いに5歳。岡っ引きと下っ引き。身分は違う、性格も、それでも二人は共にいる。四つの事件を通して語られる、二人の絆の強さ。それぞれの事件の捜査の中で描かれる、夫婦、友人、兄弟、親子。関係性は変化するかも知れない。それでも、二人は共にいたいと願う。丁寧で、理不尽な世界の中に優しさのある作品。2020/06/20
ごへいもち
17
二人のベタベタした感じがイヤ。それさえ無ければそこそこ面白いのに2023/06/25
ひさか
12
2020年6月ハヤカワ時代ミステリ文庫刊。書き下ろし。15才女子の岡っ引きと下っ引きコンビの事件帖。御米蔵の殺人、ゆらゆら幽霊、薫さん嫁にいく、薫と芽衣、の4つの連作短編。登場人物たちも魅力的、また、良くできた展開で、おもしろい。二人組女子のなれ初めから、置かれた環境、レギュラー達の説明も終わったので、次作があると楽しいです。表紙絵が内容を良く表しています。2020/08/16
一五
9
岡っ引き 札差しの娘 下っ引き 同心の娘 共に15才。なんていう随分可愛らしそうな設定で、どうなるかと思ったが、二人の人柄が良い。著者ベテランだしな2020/10/14