出版社内容情報
火伏と烏丸の作戦で投入された人類コンソーシアムの新型戦艦に対し、ガイナス集合知性は大型艦隊を差し向け、戦局は総力戦へ……
内容説明
敷島星系にあるガス惑星・桜花の衛星美和には、ガイナスの始祖らしいゴート人が存在するらしい。だが巡洋艦ヤクモのブライアン司令官らは、美和の氷原で夥しい数のゴートの死体を発見する。これは何を意味するのか。一方、壱岐星系にてガイナスの集合知性と対峙する烏丸司令官らは、突如現れたガイナス巡洋艦との追跡戦を開始。しかしやがて出雲星系で、人類とガイナスの起源を根底から問い直す、ある遺物が発見される。
著者等紹介
林譲治[ハヤシジョウジ]
1962年北海道生まれ。臨床検査技師を経て、1995年『大日本帝国欧州電撃作戦』(共著)で作家デビュー。確かな歴史観に裏打ちされた架空戦記小説で人気を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむー
62
シリーズ第二部3作目は前作のラストシーンから直接つながる場面から始まるのでなんとなく前後編という印象。『よくできました』。今作では敷島星系の調査が進む半面新たな謎も次々に現れ、出雲側でも遥か古代に人類が移住に使用した播種船の一部が発見されたところから衝撃の事実が明らかになったり謎が解けたぶん謎が増えてゆく、やはりこの作品は戦争SFというよりは謎解きSFなんですね。今回の注目ポイントとして一部で大敗を喫した香椎(元)中将のカドが取れての再登場には思わずニンマリ。2020/03/21
パトラッシュ
47
謎が解決したと思ったら新たな謎が生じ、意外な発見が相次ぐなど錯綜の連続で、短い場面が断片的に続くためシリーズ中で一番わかりにくい。特に集合知性の誕生に関する部分は理解を拒んでいるようだ。作者はきれいにまとめるつもりだろうが、小説としては不親切か。むしろ第3巻では、もはや夫婦同然のシャロンとマイヤ、烏丸と三条の変わらぬ漫才コンビ、第二管区の暴走を自分の復帰より軍の統制を優先した香椎元中将の行動など、登場キャラの個性が楽しめた。唯一の悪役になるかと思ったシーラッハが八重さんに押さえつけられそうなのは残念だが。2020/10/19
イトノコ
31
星系敷島の調査団は、ついに元ガイナス人=「ゴート」と接触。一方その頃星系出雲では、数千年前に人類が出雲への植民に用いた播種船の一部が発見されていた。/人類の歴史を問い直す3巻。相変わらず戦闘シーンはわずかで、ページのほとんどが星系敷島と播種船の調査に費やされる。もはやミリタリーSFではなく外星人とのファーストコンタクトを描く作品になってきた?それはそれで面白いけれど。果たして人類の祖先とガイナス、ゴート、スキタイとの関係は?謎は謎のまま後半戦へ。個人的には輸送船の乗組員ラーラ再登場希望だけど、ないよね〜。2022/08/15
Tadashi_N
25
未知の生命体とのコンタクトは、考えなければならないことが多い。2021/03/17
tom
23
遠征2を3と間違えて登録。よって再録。おバカだったが、こういう錯誤は起こりうるもの、仕方ない。物語は、2からさらに複雑化。集合知性体と思われた知性の本質が明かされる。大昔の地球から飛び立ったはずの宇宙船の謎などなど、複数の話題が飛び交う中で4巻目に進む。前回も書いたけれど、こんな物語、よく作り出すことができるもの。20代のころに読んだホーガンの「星を継ぐもの」を読んだときのちょっとした興奮、それを連想した。2021/03/30