出版社内容情報
不審死を遂げた養父の跡を継ぎ、持ち込まれるよろず荒事を解決する。正義の武闘派お市のたった独りの闘い。〈人情ヒロイン小説〉
内容説明
幼いころ、実の父母を殺されたお市だが、腕利きの岡っ引きだった万七に引き取られ、強くたくましく育つ。よろず請負い稼業に身を転じた万七から、体術を教え込まれてきたのだ。が、その万七が大川で不審な死を遂げた。哀しみの中、お市は稼業を継ぐ。駆け落ち娘の行方捜し、不義密通の事実、記憶のない女の身元、ありえない水死の謎―持ち込まれる難事にも、お市は生前の万七の極意を思い返し、真実を掴みとってゆく。
著者等紹介
誉田龍一[ホンダリュウイチ]
1963年生まれ。大阪府出身。2006年「消えずの行灯」で第28回小説推理新人賞を受賞。時代小説のシリーズを数多く発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サケ太
24
育ての親の後を継いだ拾われ子のお市。よろず屋としての活動は万事が上手く行くわけではない。しかし、万七の教えを胸に依頼に向き合っていく。上手く行かない部分。翻弄される女性たちの姿が虚しい。強くたくましく前へ進むお市の姿が救いか。綱渡りの彼女はどこへ向かうのか。2019/09/16
rin
13
初読み作家さん。お気に入りさんの感想で読んだ。新しいシリーズが増えて嬉しいです。この時代の話は人情味があっていいですよね。両親を殺されて一人生きていかなければいけない幼子ち岡っ引きが引き取り育てる。その人をまた殺され一人生きて行かざるを得ないお市。悲嘆にくれずに強く生きていくすべを授けた養い親を心の糧にしてよろず屋を引き受ける。色々伏線もあるので次巻が楽しみです。2020/08/06
Re:胡乱(うろん)
12
この時代小説がすごいを調べてたら探し当てた本。 よろず相談うけたまわりのよろず屋、ねずみ屋。元岡っ引きの万七が亡くなってお市が跡目を継いだところから話は始まる。 身よりもなく1人ねずみ屋を建て直そうと奔走するお市の姿がハードボイルド。 万七元親分の直伝とはいえ、江戸時代、しかも娘1人で探偵をするのがどれだけ大変か、頑張ってる姿が健気…と感じるか成長記録と見るか、これからが楽しみ。 簪が武器なのが必殺仕事人のオマージュっぽくて楽しい。2020/05/24
mike_sugino
9
図書館で借りて読了。元岡っ引きの万七に拾われたお市が、万七が殺されたことをきっかけによろず相談屋を継ぐ、という江戸を舞台とした探偵小説。記憶をなくした若い女性の身元を調べたり、消えた名画の行方を追ったりするが、ミステリーと言うよりは万七から教え込まれた格闘術を駆使し、ボコられつつ突き進む様はかなりハードボイルドですね。足腰立たなくななってしまうシーンとかはV.I.ウォーショースキーシリーズを思い出した。万七の死を追うという大きな伏線が残っているので続編に期待してます。2019/11/26
ポメ子
8
今年の1冊目。 深川七福神巡りを今年はしたので、深川を舞台にした小説を読みたいと思い、積んであったこの本を読了。年始は特に時代小説が読みたくなる。 深川の雰囲気を味わいたいと思ったが、さほど感じられず、スラスラ読めるが突っ込みどころもある軽い感じで、中途半端に話が終わったと思ったら、近々2巻が出るみたいだ。 2冊目は、どうしようか微妙。2020/01/09