出版社内容情報
200年前の航路啓開船ノイエ・プラネットによる「敷島星系に文明あり」との報。火伏兵站監の指揮のもと、拠点建設が進むが──
内容説明
人類コンソーシアムに突如届いた「敷島星系に文明あり」の報。発信源は、200年前の航路啓開船ノイエ・プラネットだった。報告を受けた出雲では、火伏礼二兵站監指揮のもと、バーキン大江少将を中心とする敷島方面艦隊の編組と機動要塞の建造が進んでいた。一方、ガイナス封鎖の要衝・奈落基地では、烏丸三樹夫司令官率いる調査チームがガイナスとの意思疎通の緒を探っていたが…。大好評ミリタリーSFシリーズ第二部開幕。
著者等紹介
林譲治[ハヤシジョウジ]
1962年北海道生まれ。臨床検査技師を経て、1995年『大日本帝国欧州電撃作戦』(共著)で作家デビュー。確かな歴史観に裏打ちされた架空戦記小説で人気を集める。2000年以降は、科学的アイデアと社会学的文明シミュレーションが融合した作品を次々に発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
58
火伏を筆頭に兵站関係者は変わらず活躍するが、中心は敷島方面艦隊とガイナスとの意思疎通作戦だ。未知の文明や生命体との交流の難しさはSFでは普遍的テーマだが、烏丸司令のユニークキャラと作戦立案が相まって効果を上げている。何より集合知性体ガイナスの正体が、玉ねぎの皮をはがすように顕れてくるプロセスが面白い。また、実質第5巻にしてようやく政治が大きな位置を占めるようになった。ノイエ・プラネット回収を図る周防全権委員シーラッハの暗躍と相賀司令の抗争に加え、水神とタオの思惑のぶつかり合いが底流として波乱を予感させる。2020/09/22
おかむー
57
異色の和製スペースオペラ(死語?)第二部、副題どおりに他恒星系・敷島への遠征へと物語は推移する。『よくできました』。遠征とは言いつつも、前巻までのガイナス拠点に対してのコンタクトも並行して進んでゆくので、敷島星系とのふたつの場面が入れ替わりに描かれる。これまでの軸である兵站に加えて、今回はいまだに謎だらけのガイナスとの意思疎通をはかるファーストコンタクト要素が面白い。「おじゃる丸」烏丸少将のキャラ立ちまくり感と、水神・火伏コンビの唐揚げ定食ディナーの息抜きポイントも効いていてよい感じ。2019/10/20
イトノコ
34
星系敷島に、ガイナスのルーツと思われる文明が発見された。人類コンソーシアムは敷島に探査艦隊を派遣するとともに、ガイナスとのコミュニケーションを試みる。/新シリーズ開幕、と言ってもそんなに新しい感じはないが。今巻は戦闘シーンは控えめで、ガイナスとの探り探りの意思疎通が目新しい。ガイナスとの意思疎通のための新キャラが、おじゃる丸こと烏丸司令官。話し方でキャラ付けとは古典的な方法…と思ったところでこの話が読みづらい原因のひとつに気づいた。この作者、登場キャラの性別と年齢をほとんど描写しないんだよな…。2022/08/10
鐵太郎
31
敷島星系で見つかった新たな知的生命体は、彼らが戦っていた異星人ガイナスと同じなのか違うのか。そのあたりを踏まえ、ガイナスの攻勢を切りぬけた人類が今度は自分たちが攻勢に出たお話。烏丸三樹夫という、雅びで世間離れした言葉遣いをする第21戦隊司令官が登場するのだが、この会話言葉が単なるカムフラージュであるとのちに判明。林譲治節だねぇ。相変わらず「生粋の武人」はお呼びでないこの「兵站が一番偉いんだぞ」戦争SFは、次はどの方向にわれわれを連れて行ってくれるのか。2020/04/04
Tadashi_N
30
未知の生命体とコミュニケーションをとるのも戦いを挑むのも、兵站が必要。2019/12/18