出版社内容情報
深海艇で新資源を探索する俊樹とこなみは、海上保安庁から沈没船の調査を頼まれる。だが海では大型船が襲われる事件が続発し……
内容説明
神鳳鉱産に所属する鯛島俊機と見河原こなみは、試錐艇デビルソードで新資源メタンハイドレートを探索する業務にあたっている。そんな二人に、ある日海上保安庁から沈没した自動車運搬船の調査依頼が舞い込んだ。世界各地で同様の事故が多発しており、運搬船の乗組員は最後の通信で「硬い化け物を見た」と言い残したらしい。俊機とこなみがよく知るはずの海で、何が起きているのか…。群青世界の神秘に迫る海洋冒険SF。
著者等紹介
小川一水[オガワイッスイ]
1975年岐阜県生まれ。1996年、『まずは一報ポプラパレスより』で長篇デビュー(河出智紀名義)。2003年発表の月面開発SF『第六大陸』が第35回星雲賞日本長編部門を受賞して以降、骨太な本格SFの書き手として活躍を続けている。また、2005年の短篇集『老ヴォールの惑星』で「ベストSF2005」国内篇第1位を獲得、収録作の「漂った男」で第37回星雲賞日本短編部門を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nao Funasoko
30
海洋系SF、特に生物系はかなり好みのジャンルながら本作はノーチェックだった。2度目の復刊にてようやく今回遭遇することができた。シーリボンとニュークの関係設定は面白いが(勝手に脳内再生してる)ビジュアルはイマイチ。逆に各登場人物はそれぞれのビジュアルはイメージしやすかったが性格やキャラ設定がどこかぼんやりしてたのが気になった。後半部、デビルソードが沈降し表題にもなっている「群青神殿」へたどり着くあたり描写にはちょっと引き込まれた。2019/09/26
信兵衛
28
海洋冒険小説、という一言に尽きる作品。 そこには海に対する愛情と、海への警戒感、そして“深海”という未知の世界への魅惑があります。 それなりに楽しめました。2019/09/27
鐵太郎
25
「深海のYrr」を小川一水が書いたらどうなるのか、という感じ。実はこちらの方が発表はちょっと早いのだけど。これは、鯛島俊機という青年と見河原こなみという二人の若者が海で奮闘した物語であり、戦いを放棄したはずの日本が持つ戦わざる戦力である自衛隊が「敵」に始めて発砲した顛末であり、人類の生存圏を侵す謎の生命体との遭遇と戦いの物語。そこで何があったのか。海底にあった群青神殿とはなんだったのか。 ──小川一水節は、この頃から生き生きと時代を見越して、精緻に、そしてコミカルにウェットに、人物を描いていたんだね。2021/04/15
ソラ
20
初手から入りやすいなと思ったらこれももとは朝日ソノラマか…。クライマックスで群青神殿にたどり着くシーンは引き込まれた。ただヒロイン?の子は何だろう歳のわりに幼いなぁと思ってしまってあんまり好きになれなかった…。2019/10/05
Tadashi_N
19
未知の海洋生物に翻弄された人々と、意外な活用法。2022/09/09