出版社内容情報
次元を制する「無限王朝」と戦う忍び「光牙」の任務は亡国の姫と幼君の護衛。『機龍警察』著者の初期傑作が全面改稿で新たに登場
内容説明
凡そこの世に非ず、別の世界より来たる者を忍びと云う―数多の次元世界を制する支配者集団“無限王朝”に抗い続ける伝説の忍び“光牙”。その一人、零牙に与えられた任務は亡国の姫と幼君の護衛であった。亡命の旅路を急ぐ一行の行手に、無限王朝麾下の骸魔忍群が立ち塞がる。激突する機忍法、生き残るは光牙か骸魔か。幻惑的傑作アクションが新たなる世に徹底加筆の“新装版”で甦り、絶望に塗り込められた夜を裂く!
著者等紹介
月村了衛[ツキムラリョウエ]
1963年生、早稲田大学第一文学部卒、作家。著書『機龍警察 自爆条項』(日本SF大賞)『機龍警察 暗黒市場』(吉川英治文学新人賞)共に早川書房刊、『コルトM1851残月』(大藪春彦賞)『土漠の花』(日本推理作家協会賞)他多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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papako
64
作者の初期作品。SF忍者ゴシック逃走小説。講談調?の独特の語り口に、ふりがな無いと読めねぇよって漢字、百合風味や友情、必殺技などなど盛りだくさん。とにかく細かいことは気にせずに単純に楽しめる。恋愛要素もあると華があったかも。ここから槐やガンルージュに繋がるのね。ガンルージュ再読したくなっちゃいました。さてさてそろそろ機龍警察の続編、お願いします!2019/07/26
shi-
18
何も考えずにただただ面白かった…。 童心に返ったように読みふけった。 大人の戦隊モノと言った感じかな? 最近月村さんは硬派な物が続いたから新鮮でした。2019/07/12
じゅむろりん
16
ファンタジックな忍者エンターテイメント作品。漫談口上の語り部が奇想天外な世界と戦闘を軽妙に描き出してます。国を消滅された若君鷹千代と姉の真名ひめの脱出を光牙なる伝説の忍者集団が手助けし、数多の次元世界を制する支配者集団「無限王朝」と手を結ぶ骸魔衆が阻む対決構図です。出だしの世界観で最後まで突っ走って欲しかったなと個人的には思いますが、気軽に楽しめる点ではアリです。本人後書きでは山田風太郎や白土三平を挙げていますが、私は手塚治虫ワールドも感じました。2022/01/29
nishiyan
15
数多の次元を支配する無限王朝に抗う忍者「光牙」。その一人、零牙が亡国の幼君と姫を護衛しての逃避行を描いたSF忍者アクション。百合SFフェアの1冊とのことで購入したのだが、百合云々差し引いても面白い。それにしても忍者たちの使う技と異世界からきたという設定が興味深く、零牙たちの前に立ちはだかる骸魔とのバトルを盛り上げる。硬質な文体で紡がれた光牙の少女・蛍牙と亡国の姫・真名姫との友情は妙に合っていて心地よい。ラストは彼らの終わることない戦いを示しながら、どこか希望を持たせるところが良い。素敵な読後感でした。2019/08/22
きあら
14
SF的な、ファンタジック的な忍法帳。あまり読み慣れたジャンルでないので、闘いのシーンのイメージが頭の中に思い浮かぶことが出来ずに苦戦。ただ逃げながらの共闘は、槐やガンルージュに繋がるものを感じた。2019/08/10