出版社内容情報
ガス室に閉じ込められたウフコックの前に現れたのは、経緯を知るはずのないバロットだった。事件は二人の物語として再び動き出す
内容説明
オフィスとクインテットの死闘の末、両陣営は多数負傷者を出し、ウフコックはハンターに拉致されてしまう。何も知らずに友人たちとの卒業旅行から帰ったバロットは、イースターからこれまでの経緯を聞き、ウフコックの奪還を決意する。善なる協力者たち、大学での新たな学び、そして楽園―考えうるすべての方法を使って。あの日、ネズミの良心に救われた少女はいつしか二十歳に近づいていた。二人の物語が再び動き出す。
著者等紹介
冲方丁[ウブカタトウ]
1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』でスニーカー大賞金賞を受賞してデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞受賞。マンガ原作やアニメ脚本も手がけ、ジャンルを越境して活躍。2010年、時代小説『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、2012年、『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiseiok
43
前巻のラストシーンを読んだ全員が全員渇望していたであろう第四巻。バロット無双のぶっとばしバトル、いくぜウフコック!こっからはウチらのターンやーっ!どいつもこいつもまとめてかかってこんかい!うぉっほーい期待通りの爽快感!…と思いきや、バトル真っ最中の現在とそこに至るまでの過去シーンが交互に描かれる章構成で、これが歯痒いw。とはいえそのウフコック捜索過程を含む過去描写のなかでハンターやバジルのキャラが深掘りされ不気味な"シザーズ"達についても言及、物語は複雑な様相を呈してまいりましたなぁ。次巻待ち遠しいわー。2019/04/04
活字スキー
36
“一匹のネズミがその生をまっとうし、価値ある死を獲得する物語”のほぼ一年ぶりの新刊、全てのファンがその瞬間を待ち望んでいた!≪ウフコック。私、思いっきりぶっとばすから≫均一化(イコライズ)に燃えるハンターに囚われてからの618日と、再会した最強の二人の新たな戦いが交差する。3巻まではハンターが主導する抗争が物語の大きなウェイトを占めていたが、イースターズオフィス(とバロット)の捜査がハンター自身に収束するにつれ、物語の大枠が予想とは違うものであることが明らかになってきたようだ。2019/04/03
Small World
35
ファン待望のコンビ復活で楽しくて仕方ない第4巻!間に過去エピソードが入っても良いのです(笑) だけど登場人物が多過ぎて覚えてられないです……なのに面白いのがさすがですね。できれば忘れないうちに次が読めるといいですね。2019/04/05
ぽてち
29
前巻のラストで、衝撃的な再会を果たしたルーンとウフコック。期待に違わず、本巻はルーンをメインとした活劇となる。これまでやられ放題だった味方の鬱憤を晴らすかのように、華麗な技で敵を翻弄するルーン。彼女をサポートし、求められるあらゆる姿にターンするウフコック。間には、どのようにしてルーンがウフコックの居場所を突き止めたのかが丁寧に描かれていく 。さらに予想外の展開もあり、「ハンターの正体はもしかして……」と思わされる。俄然面白くなってきた。2023/09/09
はじめさん
28
最強の矛と、柔軟な衣が再びひとつに。違法改造されたエンハンサーたちの巣窟からのバロットとウフコックの闘争/逃走。もうクランチ文体はしないのか、残念。 / バトルのみではなく、「ここ」に辿り着くまで、混沌⇄秩序⇄無法⇄法律・抜け目、いたちごっこ→敏腕、敏感肌。カレッジで法学を学ぶ女子学生時代のバロットと、そこに現れたハンターが潜入捜査中のウフコックの正体をほぼ当てて揺さぶりをかけ、合法的な奪還襲撃計画をオフィスの面々と練り…。/ 未来への自己投資はローンで。スラムの娼婦から淑女に孵化して飛び立て、バロット!2019/04/16