出版社内容情報
ガイナスからの天涯奪還作戦失敗の責を負い、閑職に移った火伏。艦隊の人事再編が進む出雲では、新兵器の開発が密かに進んでいた。
林 譲治[ハヤシ ジョウジ]
著・文・その他
内容説明
天涯でのガイナス戦大敗の責を負い、閑職に移った火伏礼二少将。艦隊再建が進む出雲では、新たに軍務局の吉住二三四大佐が壱岐方面艦隊の兵站監に着任、独立混成降下猟兵第一連隊のシャロン紫檀大佐とマイザー・マイア少尉は、起死回生の新兵器“原子熱線砲”の開発現場を密かに訪れていた。一方、特設降下猟兵小隊を率いるアンドレア園崎大尉は、因縁の戦場、天涯への威力偵察を指揮することになるが―シリーズ第3弾。
著者等紹介
林譲治[ハヤシジョウジ]
1962年北海道生まれ。臨床検査技師を経て、1995年『大日本帝国欧州電撃作戦』(共著)で作家デビュー。確かな歴史観に裏打ちされた架空戦記小説で人気を集める。2000年以降は、科学的アイデアと社会学的文明シミュレーションが融合した作品を次々に発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
59
女性活躍の巻。ブレンダの仲介で八重とクーリアが手を結び大財閥を手中に収め、モーラとバーキン、カザリンが艦隊後方を固め、おかげでアンドレアとシャロンは後顧の憂いなく最前線で戦えるわけ。逆にダニエルや南雲は情けない限りだし、水神や相賀は有能な部下を自由に働かせることが功績につながると理解している仕え甲斐のある上司。前巻で見事な采配を見せた火伏の影は薄かったが、後任の吉住も自分のやるべきことと限界を知っていて最善になるよう動く。従来のSFのパターンを否定し、日の当たらない面々こそ重要とする反英雄SFの真骨頂か。2020/09/09
おかむー
55
「男祭り」で読むつもりだったが何だコレ強い女ばっかりじゃないかよ、まぁ面白いからいいんだけどね。『よくできました』。戦端をひらくまでの下ごしらえにがっつりとページを割く独特の作風も、3巻にもなればこれこそが味というものだが、前巻までの火伏のリリーフに登場した“プロフェッショナル”吉住のいぶし銀っぷりが今回の目玉かな。自らが凡人であることにこだわる吉住ですが、そんだけ悟ってることがすでに凡人の域を超えてるという事実。そしてラストに大きな引きを入れ込みつつ、敵・ガイナスの正体は謎のまま第一部最終巻へと続く。2019/07/08
イトノコ
38
準惑星天涯での敗戦の責を負い兵站監を辞した火伏。一方、艦隊司令官となった水神は、天涯への偵察と、巨大ビーム砲を使った反攻作戦を計画していた。/裏にも表にも女性陣大活躍、の巻。うーむ、この著者さんの女性の好みが滲み出しているような。切れ物で強気だけど惚れた男の前では可愛げのある…みたいな。それはそうと、やっと兵站が前面にでてきたか。火伏の妻、八重とタオの妻、クーリアの暗躍で壱岐星系での兵站を確保した人類コンソーシアム艦隊。一方、敵のガイナス側も天涯地中にプラントを建設。次巻は巨大物量同士の全面対決か?2020/06/08
fukumasagami
33
人類側は新兵器投入によるガイナス前哨基地である壱岐星系外縁の準惑星天涯の奪還を目論む。しかしガイナスは天涯に築いた軌道エレベーターにより地下都市を作り上げていた。2021/06/06
Tadashi_N
31
兵站という見方が面白い。未知の生命体との戦いは相手が読めないため、過剰に考えてしまう。2019/11/02