出版社内容情報
第三次世界大戦の反応兵器で世界は壊滅した。日本政府は、大戦後を生き延びる方策として宇宙開発を選択する。超弩級の歴史改変SF
佐藤 大輔[サトウ ダイスケ]
著・文・その他
内容説明
第四次世界大戦から逃れて人類が生き延びる術は、宇宙開発にしかない―。遙かなる未来に向けて決断を下した日本政府は、巨費を投じて衛星軌道開発に取り組んでいた。最前線はトラック諸島に建造中の宇宙港JSP‐03。同地では、硬式宇宙服ARMSのテストも進む。だが、日本の急速な擡頭に怒れる亡国のナショナリストが、牙を剥こうとしていた…。架空戦史の雄・佐藤大輔が、明日の地球に向けて遺した伝説のシリーズ第3巻。
著者等紹介
佐藤大輔[サトウダイスケ]
1964年、石川県生まれ。“征途”“レッドサンブラッククロス”などのシリーズで、戦略シミュレーション小説に独自の世界を切り開く。2017年に『帝国宇宙軍1―領宙侵犯―』(ハヤカワ文庫JA)を刊行するが、絶筆となる。2017年3月逝去。享年52(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
16
新たな日本の未来を築くロケットのブースターが北崎望と黒木正一、第一段が原田克也と屋代幸男、第二段が原田和己と屋代昌幸なのだという。児玉二佐も、その中に入るのだろうか。明暗が分かれた親子の運命を織り交ぜ、第三段となる世代らしい榊原琴音、島村和人、穂積綾乃もこの巻で登場し、綾乃が大きなスポットを浴びることに。そして兵器でなかったはずの二つの必殺兵器がベールを脱いでしまい、未来は混迷しそう。この先、佐藤大輔はどのような日本を描こうとしたのだろうか。 ──なぜここで筆を止めたんだ、大ちゃん!(涙) 2018/07/07
akiakki
8
ソ連にリーチがかかり、覇権国もしくは世界の警察の地位が見えてくると「そんなの御免だ!」と宇宙開発を更に加速。しかしどうしても軍事力は必要なところに宇宙開発の副産物が。宇宙勝利に必要なパーツが揃ってきました。続きが楽しみ! 楽しみだなぁ...2024/10/25
アトリアーナ
5
おもしろいわ.ちょっとアレなのは東米軍(?)指揮官の意図って結局なんなのってとこだけど... いやホント,返す返すも未完が惜しいわの.で,これ,作中時間が(初版時に)ほぼ追いつき,内容的にも一段落なので中断は第一部完って感じだったんだろうなぁ.あと,クライマックスの第9章が12月8日に設定されてるのって,もちろん太平洋戦争開戦記念日に引っかけてんだよね.芸が細かいな〜.あの,まさか成道会とか事納めとか針供養までは,考えなくていいですよね? 残念だがもう新作はないんだから,残りの未読作を読んでみますかね.2018/07/05
こぼこぼ
5
一気読み。最後の舞台はトラック諸島だ。やっと宇宙へ行く為の道具立てが揃った処で未完となったのが本当に残念。ストーリーもさることながら,細かい点だと擬人化された衛星や電算機の会話が可愛らしくて好き。時々早川の装丁は酷いと感じるが,本巻(本作)もその一つ。カバー絵はもう少し何とかならなかったのか?ノベルズ版鶴田謙二と比べると,何だかな~としか言えない。早川はカバー変更の頻度が高いので,新版出して何とかして欲しい。2018/05/17
蟹
4
3巻になって、ちょっと「んん?」というか、話の焦点がどうもぼやけてしまったような。何よりもこの巻のシチュエーションを作り出すためのモーガンステインと「東軍」の行動にどうしても御都合主義を強く感じてしまう。そもそもこのシリーズを成立させるための最大の御都合主義であるところの1巻後半にはそこまで違和感を感じなかったのに、史実から離れてしまうとこうも不自然さを感じてしまうのは、自分の好みの問題なんだろうか?でも、このあたりに著者がシリーズを「投げ出して」しまった理由を察することができる気もする。2018/10/08