出版社内容情報
「平蜘蛛を探せ」舞兵庫は、太閤秀吉と関白
秀次から同じ密命を別々に受けてしまう……。
窮地に立たされた男が選んだ決断とは――?
内容説明
「松永弾正が蔵した天下の名器・平蜘蛛の茶釜を探せ」豊臣家に仕える舞兵庫は、太閤秀吉と関白秀次から同じ密命を受ける。太閤への恐懼か、関白への忠義か…。二君の狭間で懊悩する男の周囲を、石田三成が暗躍し納屋助左衛門が跳梁する。吹き荒れるのは後嗣を巡る内紛の嵐。果たして権力者達が渇望する平蜘蛛の禁秘は何をもたらすのか?茶器に潜む密謀と秀次事件の真相に迫る歴史ミステリ。第7回クリスティー賞優秀賞。
著者等紹介
日野真人[ヒノマコト]
1961年北九州市生まれ。龍谷大学卒業。僧侶。2017年に『アラーネアの罠』で第7回アガサ・クリスティー賞優秀賞を受賞(出版に際して『殺生関白の蜘蛛』に改題)。また、指方恭一郎名義で2011年に第3回城山三郎経済小説大賞を『銭の弾もて秀吉を撃て―海商島井宗室』にて受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Porco
15
アガサ•クリスティー賞優勝賞受賞作。ミステリーとしてはいいのかもしれませんが、歴史物としては、ちょっと説得力に欠けるかと。2023/05/23
汲平
8
南蛮渡来の「平蜘蛛」と呼ばれる茶釜を軸に秀吉と秀次の対立を描く。茶屋助左衛門、石田三成が話をさらに複雑にする。中盤以降畳み込むような勢いで物語が進んでゆくがちょっと慌ただしい。秀吉も秀次も人間的な魅力に乏しいのが残念。老醜をさらす秀吉はともかく、秀次がもっと魅力的でなければ、6人の武者がついて行くことの説得力が薄い。でも、ストーリーは程々に複雑で興味深く、物語としては十分に楽しめるクオリティだと思います。2017/12/01
紫
8
松永久秀と共に爆散したはずの「平蜘蛛の茶釜」がひそかに持ち出されていた? 「平蜘蛛の茶釜」の行方と正体を追いかけるミステリ+時代小説。主人公の舞兵庫は実在の武将で、まことに渋い人選であります。「平蜘蛛の茶釜」のとんでもない正体をはじめ、大ぼらのスケールに比べて、物語の進行が地味でこじんまりしているのが何とも残念。豊臣秀次も何だか残念な殿さまになってしまい、これまた残念な扱い。がっつり濃い歴史ミステリとして描くか、荒唐無稽上等の伝奇方向で進めるか、どちらかに振り切った方がよろしかったのでは。星3つ。2017/11/26
へいへい
7
歴史モノと思って読んでたら途中から荒唐無稽のトンデモ珍説になって、うーんと思ってたらミステリ小説として受賞した作品だったのね。納得。最後のシーンは真相を暴いた刑事と真犯人の対決みたいだったもん。でもこの人、本格的な歴史モノもいける気がする。或いは剣客小説とか。舞兵庫って名前は知ってたけどこういう経歴の人だったのね。2017/12/11
Ayako H
7
買いました。茶道のお道具に関してはいろいろとこだわりの秀吉、その後継者になるはずだった秀次、まわりのもろもろ。そういえば日本史でやったなぁという名前がたくさんでてきました。キリスト教布教をからめ、お〜 マカオまでいきますかぁ。ホントにその頃の日本人はお茶道具のためにそんなに大騒ぎしてたんですかね。舞兵庫がなかなか魅力的でした。裏切りの過去とその心の中と。面白さほどほど。2017/12/06
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