内容説明
1972年秋。父親の死とともに新宿歌舞伎町の探偵事務所を受け継いだ浜崎順一郎は、女子大生・栄子から生き別れの母親でバンプ女優と言われた神納絵里香を捜してほしいと依頼される。だが、やっと見つけ出して栄子と会わせる約束を取り付けた矢先、絵里香は何者かに毒殺されてしまった。直後、栄子は姿を消し、第一発見者として容疑者扱いされた浜崎は事件を調べ始めるが…直木賞・吉川賞作家が放つ正統派ハードボイルド。
著者等紹介
藤田宜永[フジタヨシナガ]
1950年福井県福井市生まれ。早稲田大学第一文学部中退後、渡仏し、エールフランスに勤める。帰国後、フランスミステリの翻訳やエッセイを手がけ、1986年『野望のラビリンス』で小説家デビュー。1995年『鋼鉄の騎士』で第48回日本推理作家協会賞、第13回日本冒険小説協会大賞特別賞を受賞。犯罪小説やハードボイルドから恋愛小説や家族小説まで幅広く手がけ、1999年『求愛』で第6回島清恋愛文学賞、2001年には『愛の領分』で第125回直木賞、2017年には『大雪物語』で第51回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ハスゴン
24
産まれてはいましたが、まだまだ小さかったけど、この世界観ならば70年代の設定が素晴らしく、ハードボイルドを書かせたら右に出るものはない!2017/12/30
ソラ
21
70年代の雰囲気にどっぷり浸かりながら(といっても生まれる20年近く前のことなので全然実感としてしらないけれど)読了。とりあえず下巻読んでみないことには…2017/06/24
ぷにすけ
13
1972年とあって、携帯電話もない、ネットもないという中での探偵家業とあって、新聞記者や警察が情報源となるのも納得。これまでのハードボイルドな探偵小説とは違って、堂々と女性を口説くのね・・・。しかしバヤリースオレンジって懐かしい。2021/03/21
東森久利斗
3
淡くてくすんだオレンジ色のハードボイルド。探偵は黙ってウイスキー、ハードボイルドのセオリーなどお構いなし、よくしゃべる探偵。神経を逆撫で、空気を読まない、憎まれ口、減らず口、一言多い、スベる台詞、口を開くごと、ページを繰るごとに評価ポイントは下がる一方。自覚症状があるのが救い。キャラクター設定以外、物語、時代背景、構成、展開、どれをとっても巨匠ならではのクオリティ、真意を知りたい。サブリミナルなバヤリースオレンジ、喉が渇く、無性に飲みたくなる。2025/03/03
ひろ
3
70年代の東京は実際には見たことがないが、 81年からは東京にいたので赤坂など懐かしいキャバレーなどがでてきましたね。 でもこの探偵さんは若すぎないかい。2017/12/27
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