出版社内容情報
占い師の少女アトリが青年ロナーの未来に不吉な影を見た後、世界の均衡は崩れ始めた。
内容説明
商業都市ハイ・キレセスで“詞”の力を操る“骨牌使い”として生きる少女アトリ。彼女は偶然出会った青年ロナーを占うが、彼が引いたのは滅多に選ばれない死と破滅を示す凶札だった。その直後、異形の怪物に襲撃されたアトリは、ロナーに導かれて王国ハイランドの王都へ逃れる。彼曰く、アトリは創世の時に語られた幻の十三番目の“骨牌”であり、反逆者“異言”に狙われているらしい。少女の運命は急速に動き出していた。
著者等紹介
五代ゆう[ゴダイユウ]
1970年奈良県生まれ。1992年に『はじまりの骨の物語』で第4回フアンタジア長編小説大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はんみみ
10
いいキャラクター揃ってるな、と言うのが第一印象。主人公が霞むくらい。よく転がる展開でグイグイ引き込まれていくけど、やっぱりファンタジーは苦手で世界観の説明が始まると所々で眠くなる。2015/06/21
テツ
8
ライトノベルって基本的に全く読まないんだけれど入院中に差し入れして貰ったので初めて真剣に読みました。世界設定やそれを飾り立てる小道具(骨牌とかね)も細かく情景描写や心理描写も上手く、ファンタジー物として普通に面白かったです。登場人物のキャラ立ては多少エキセントリック過ぎるかなあと感じて鼻につく部分もあったけれどこれはこれで良いのかもしれない。映像栄えしそうなシーンが多いのでアニメ化とかしたらいいんじゃないですかね。2016/04/08
鳩羽
8
水運で栄える都市の娼館で、骨牌使いとして占いをしている娘アトリ。母は亡くなり、父が誰かも分からないが、骨牌の使い方だけは母が教えてくれた。変な客との出会いにより、運命が大きく動き始める。アトリは攫われ、その攫われたところを賊に襲われる。…自分の出生や、世界を支える十二の骨牌、そこに変革をもたらす〈十三〉。古くから続く貴い血筋など、まだ自覚に乏しいアトリが散々振り回される。アトリがほどほどに弱く、ほどほどに鈍い少女なので、波乱続きの展開も落ち着いた話運びになっている。2015/04/07
まぁ
6
港町の骨牌遣いな少女アトリさんと謎の青年ロナーさんが出会うことで始まる異世界ファンタジーなわけですが、外国の児童文学のようだなぁと思いつつ、主要登場人物が全員美形なところがラノベ的だなぁとも思うのでした。詞を題材にしているだけありとても綺麗な雰囲気が漂いつつ下巻を読まねばとなりました。2019/01/09
カキ@persicape
6
上下巻対の絵になっているのが目について購入。物凄く面白いわけではないが読ませる正統派ファンタジー。物語に沈み込むように設定を自分の中に落としてく作業が久々で懐かしい。出生血統実は王子とか王道だけどありきたりではない。自分の中にある「詞」の力、壊れると自分だけしか通じない「詞」の世界に閉じ込められる。「詞」って地に足ついて生きようとする生命力の比喩?キャラは盗賊の女頭ファウナがいい。ユーヴァイルもう少し渋いか容貌が変わらず老いない設定だったらもっと良い。この作品富士見ファンタジアの復刊なのだそう。最近→2015/03/27