出版社内容情報
女子高生の森田ゆかりは日本出資の宇宙協会で働くことになった。代表的シリーズ新装版
内容説明
女子高生の森田ゆかりは、16年前ハネムーン先で失踪した父親の消息を求めて、ソロモン諸島・アクシオ島を訪れた。そこで出会った「ソロモン宇宙協会」の所長、那須田と名乗る男は、父親捜しを手伝うかわりに、ゆかりを協会にスカウトする。そこには、軽量化を余儀なくされたロケット打ち上げのため、小柄で体重の軽いゆかりを飛行士に採用しようという協会の思惑があったのだが…。野尻宇宙開発SFの原点、ついに復刊。
著者等紹介
野尻抱介[ノジリホウスケ]
1961年三重県生まれ。計測制御・CADプログラマー、ゲームデザイナーを経て、1992年、ゲーム「クレギオン」の設定をもとにした『ヴェイスの盲点』で作家デビュー。以後、『クレギオン』『ロケットガール』の両シリーズで人気を博す。2002年に上梓した『太陽の簒奪者』は新時代の宇宙SFとして絶賛を浴び、短篇版に続いて星雲賞を受賞、「ベストSF2002」国内篇第1位を獲得した。また2013年、『南極点のピアピア動画』で大学読書人大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
七色一味
67
読破。20年前、ですかぁ。表紙といい中の文体といい、あっぱらぱぁ~な女子高生(失礼)っぽいカルさで、とても読みやすかったんですが、ここに書かれている技術って、20年前の最新情報とそこから想像力で導き出された技術。今読んでも、全くもって違和感がないというのが素晴らしい。設定も展開もあまりにもバカバカしくて、しかもバカバカしいほどおもしろいという(笑)登場人物ごっそりとシリアスなキャラに入れ替えたら、立派なハードSFだわ。2014/09/09
巨峰
52
面白かった。作者はいう、ハヤカワ文庫版発刊の当時から20年前(現在からは30年前)の作品で当時はSFだったけど、あることについては現実は追い越し、あることについては現実は追いついていないと。でも、その物語をその時から10年後でも僕は楽しく読んだのは、物語としての強さがあったからだとおもう。また初めの設定というかそういうものもきっちりと作ってくれていたから、2024年でも楽しめる。(けど現在の日本はこんな力が無くなっているのが悲しい。基礎控除くらいさっさとあげるべきなのです。)内容も表紙も素晴らしいですー2024/12/02
おかむー
52
『よくできました』。もとは富士見ファンタジア文庫だということでそこそこ前だと思ってたら20年前の作品ですが、宇宙開発やロケット技術の部分で細かくつっこまなれば古さはほぼ感じないぐらいに違和感がないね。ポンポンといい意味で軽くノリよく展開される物語と会話のおかげで引っかかりなくページが進むところも好感触。序盤の強引かつなし崩しにゆかりが巻き込まれるばかばかしくも楽しい展開が、後半には内面的な悩み主体にシフトしてしまう部分は少し惜しい感触。まぁ現実的なロケット打ち上げが題材なのでやむをえないことではある。2014/05/25
ソラ
49
20年前の作品とは思えないほど古びた感じは全くなかった。野尻さん特有のふわっふわした感じのSFは愉しい2013/11/29
禿童子
34
『ふわふわの泉』と少しシチュエーションが似ている。女子高生が前後の脈絡なしに(最初はその気もないのに)宇宙飛行士になる。野尻抱介らしくハードSFっぽくディテールが現実感に溢れている。異母姉妹がバックアップクルーを務め、しかも精霊と交信できるというファンタジー色がストーリーを盛り上げてくれるのがGOOD!次巻も読まなければ。2023/04/10