出版社内容情報
人工妖精の揚羽は東京自治区の独立のため己の全てを捧げる決心をする。人気作の最新刊
内容説明
人間に奉仕するために造られた人工妖精。その一体の揚羽は、東京自治区の閣僚を殺戮し続けている人工妖精“麝香”の影を追っていた。その頃、揚羽の双子の妹である真白は、自治区総督の椛閣下が暗殺されたことを知る。自治区最大の危機を前に、揚羽と真白はそれぞれ、己の今後の人生を左右する選択を迫られる。守るべき者のために、己の全てを犠牲にする覚悟をした揚羽の運命は…揚羽をめぐるシリーズ4作のフィナーレ。
著者等紹介
籘真千歳[トウマチトセ]
1976年沖縄県生まれ。心理学科卒。2008年に『θ11番ホームの妖精』で出版デビュー。『スワロウテイル人工少女販売処』は第10回Sense of Gender賞話題賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソラ
33
ついにシリーズ完結。揚羽が多すぎてちょっと混乱してしまうところもあったけど最終巻というだけあって読みごたえがあって、ラストも納得。またシリーズ最初から読まなきゃなぁ2013/08/11
シュエパイ
25
物語の始まりから終わりまで、或いは因果の端緒から未来の果てまで、人工妖精が人に恋をしたのだと、それがすべて。そんな素敵で愛おしい物語が、締め括られました。母が娘へ、愛してあげられなくてごめんなさいと告げながら、殺しにかかるシーンが哀しくて。けれど最後は、全てに愛を伝えていった彼女が愛おしいのです。あぁ、ほんとうに、何度も何度もいいましょう。いとおしくて、きびしくて、胸を締め付ける、とても大好きな物語でした2013/07/31
クライン
16
何も恨まず、何も望まずに、善くあろう、佳く生きようと駆け抜けた「揚羽」の物語が終わりました。錯視感を覚えるような構成、哲学に関する考察など、読み辛いと評判の(?)語りは相変わらず、そんな裏の設定を今ここでっ!?という突飛さもあり・・・。真白の件りは人によって思うところが別れると思いますが、現実を踏まえて安易な帰着を避けたとも読めるかと。洋平と幸せになって欲しかったけれど、ラスト近辺のすれ違いで希望の光が灯ったことにしておきましょう。光気質だけに^_^;。揚羽が望んで止まなかった世界に、また逢えますように。2013/08/18
河瀬瑞穂@トマト教司祭枢機卿@MMM団団長
16
シリーズ完結。もっと続いて欲しかった。お気に入りのシリーズ。時間軸を行き来しながら展開する今巻、「揚羽」が沢山出てくるので混乱しやすいですが、最終巻にふさわしく読み応えあり。一途に人と世界を愛しぬいた揚羽に、幸あれ。2013/08/10
ドル箱
14
総評「腐ったひとつの果実が~というのなら、腐った果実の~たったひとつの青い果実が、全ての果実を蘇らせることもあるのだろう」最終ページに書かれているこの一文体にこの物語が掌握してあるのではないか?それは、まるで時の三姉妹が奏でるように唄った物語。色んな神道や哲学、そして「性善説」孟子と「性悪説」荀子の言葉の意味も含まれている。著者の語りたかったテーマはやはり「神の説」だが、やはり、永野護のFSS物語を意識して(影響?)書いた節もある。騎士道も書かれているしね(そこは滅茶苦茶、ヘッドライナー)2013/11/10