出版社内容情報
カルミアンの恐るべき誤解により《救世群》は絶望の色を濃くしていく――第6巻第3部
内容説明
西暦2502年、異星人カルミアンの強大なテクノロジーにより、“救世群”は全同胞の硬殻化を実施、ついに人類に対して宣戦を布告した。准将オガシ率いるブラス・ウォッチ艦隊の地球侵攻に対抗すべく、ロイズ側は太陽系艦隊の派遣を決定。激動の一途を辿る太陽系情勢は、恒星船ジニ号に乗り組むセレスの少年アイネイア、そして人類との共存を望む“救世群”の少女イサリの運命をも、大きく変転させていくが―第6巻完結篇。
著者等紹介
小川一水[オガワイッスイ]
1975年岐阜県生まれ。1996年、『まずは一報ポプラパレスより』で長篇デビュー(河出智紀名義)。2003年発表の月面開発SF『第六大陸』が第35回星雲賞日本長編部門を受賞して以降、骨太な本格SFの書き手として活躍を続けている。また、2005年の短篇集『老ヴォールの惑星』で「ベストSF2005」国内篇第1位を獲得、収録作の「漂った男」で第37回星雲賞日本短編部門を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
文庫フリーク@灯れ松明の火
128
「私はあなたたちを愛しています」あまりにさり気なく、日本語でミヒルが語った為500年の宿怨の、血も凍るマスターキーに気付けなかった。これもトラップ、これもフェイント、これもギミック。夢枕獏さんの格闘小説風に言えば、軽く握った拳を上げて柔軟なガード、左足を前に重心は低め、つま先立でリズムを刻み、油断無く対峙した本書。気が付けば仰向けに倒れ、天を見ている。何をされたかは、解る。するりと風のように懐に入られ、蛇のように腰に絡みつく腕。重力など無いかのように引っこ抜かれ、斜め後方への捻りを加えたバックドロップ。→2014/09/24
みっちゃん
128
すごい!まだ胸のドキドキが収まらない。逆転また逆転!しかもどんどん絶望的な状況へ…読むのが辛い…でも頁を捲る手を止める事も出来ない。目を覆いたくなる凄惨な場面。オムニフロラに取り込まれたミスチフの恐ろしい企みのせいで、もう太陽系は死んでしまうのか!?でも、これがどうやって植民地星メニーメニーシープに繋がるの?ひょっとして惑星ハーブCって!?…ああ、早く次に進みたい!2014/05/21
ケンケン
98
何も言えねぇ‥色んな意味でさ。この喪失感と絶望感の嵐が吹き荒れるクライマックス‥これで、まだ中盤なんだぜ~装丁のイラストどおり破壊されつつある全太陽系、そして多くの命・思いの数々!! ここまで、ミスチフとノルルスカインの宇宙規模で繰り広がれる覇権戦略のボタンの掛け違いに翻弄されるなんて~果たして、これがどう繋がっていくのか!? 後半は、この曲が合っていたように思う、個人的に→http://www.youtube.com/watch?v=woEzaudSHqg2013/06/02
ゆう
54
あまりに破滅的で読むのが辛かった。時系列的にもうじき1巻に繋がる気配が。先が気になる。人類に未来はあるのか。正直読んでてキツいけれど、ここまで来たらラストを読まずにはいられない。2019/12/21
夜長月🌙新潮部
52
雲の上の存在なオムニフロラやミスチフの代理戦争を人類がしているという構図はやるせない思いです。そんな中でも一人一人が丹念に描かれていて世界に埋没することなく自ら思考して行動しています。硬殻化してもイサリはイサリであったことにほっとしました。2025/05/22
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- 和書
- ひげよ、さらば 〈上〉