内容説明
西暦2803年、植民星メニー・メニー・シープは入植300周年を迎えようとしていた。しかし臨時総督のユレイン三世は、地中深くに眠る植民船シェパード号の発電炉不調を理由に、植民地全域に配電制限などの弾圧を加えつつあった。そんな状況下、セナーセー市の医師カドムは、“海の一統”のアクリラから緊急の要請を受ける。街に謎の疫病が蔓延しているというのだが…小川一水が満を持して放つ全10巻の新シリーズ開幕篇。
著者等紹介
小川一水[オガワイッスイ]
1975年岐阜県生まれ。1996年、『まずは一報ポプラパレスより』で長篇デビュー(河出智紀名義)。2003年発表の月面開発SF『第六大陸』が第35回星雲賞日本長編部門を受賞して以降、骨太な本格SFの書き手として期待が高まっている。また、2005年の短篇集『老ヴォールの惑星』で「ベストSF2005」国内篇第1位を獲得、収録作の「漂った男」で第37回星雲賞日本短編部門を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケンケン
149
2013年初読破本(^ー^)/ 読メをやっていなかったら、手に取らなかっただろうSF大作の第一作目!一冊目から、ジャンルのてんこ盛りと全くもって先が読めない目くるめく展開でした♪果たして、彼らの運命と謎の数々はどうなるのか!? 下巻も買ってて良かった(笑)2013/01/12
文庫フリーク@灯れ松明の火
144
なるほど、読み友さんが仰る通り上田早夕里さん『華竜の宮』にハマった者なら、どハマり確実な物語。舞台は地球から移民し300年を迎える惑星メニー・メニー・シープ。まだ最初の巻だというのに、この世界の構築感は、至る所に巧妙な「罠」を感じる。単なる専制君主とは思えぬユレイン少年。彼を<ボースン>と呼ぶオペレータールームの<ダダー>。美女の肉食怪物<咀嚼者-フエロシアン>のイサリ。<海の一統><恋人たち><石工>と特別な主人公不在なのに、各キャラの魅力が物語の中へと引きずり込む。ノート10ページのメモを取り下巻へ。2014/07/10
いおむ
108
小川さんの作品はこれで二冊目。シリーズ全十巻ということでわくわくの一巻目でした。次巻も楽しみです。2014/08/31
とよキチ
85
初めての小川一水作品。読友さんのオススメを参考にさせて頂き、個人的に苦手意識のあるSFものに挑戦◆苦手意識があるだけに、かなり構えて読み始めたが、第3章が終わる頃には夢中になっている自分に気づく。少ないながら今までの読書経験にない“壮大な世界観”に心躍らされた。『SFも読み始めたら、本棚がヤバイ!』などと考えつつも、続編の誘惑には勝てず、早速下巻へ…。2013/02/14
みっちゃん
80
お気に入りさんに教えて頂いた本。とにかく面白い!西暦2800年代、入植300年を経て、当初の科学技術が失われてしまった植民地星「メニー・メニー・シープ」貴重な資源を独占する「領主」体制側、圧政に対抗の気運を高める人々、身体に遺伝子操作を施した「海の一統」、アンドロイド、昆虫のような現住生物、謎の存在「フェロシアン」と「ダダー」よくこんな事考えつくものです!貧弱な想像力を目一杯働かせて、どんどん頁を捲りました。いや〜このラスト!先が気になるわ!2013/06/03