内容説明
道端で男に殴られていた女子大生美紀を拾ったバイク乗りの幸雄。奇妙な同居は幸雄が美紀に売春をさせたことで終わったかにみえたが…男女の不思議を描く表題作他、ストリップ劇場で理想の女を見つけた男が彼女を探して旅をする「ひと目だけでも」、会社を辞めた男が故郷で恋人の親友に会う「いつもの彼女、別な彼」等、感情を排した乾いた文章がなぜか通常の恋愛小説よりも深く胸に残る名品7篇を厳選。
著者等紹介
片岡義男[カタオカヨシオ]
1940年東京生まれ。早稲田大学法学部卒。1974年『白い波の荒野へ』で小説家デビュー。エッセイ、コラム、翻訳、評論、写真など多分野で活躍
北上次郎[キタガミジロウ]
1946年東京生まれ。明治大学文学部卒。文芸評論家。1976年に椎名誠らと「本の雑誌」を創刊。2001年より同誌の顧問となる。1994年『冒険小説論―近代ヒーロー像100年の変遷』で日本推理作家協会賞評論その他の部門を受賞。目黒考二名義、藤代三郎名義などがある。著書、編書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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志波昌明
3
久しぶりに片岡義男の本を読んだ。恋愛の短編小説集で、出てくる女の子たちがカッコいい!オートバイや車もアメリカ映画を見てるみたい。しかも、相変わらずクールな小説でした。ほとんど登場人物の心理が書かれていないので、作者に突き放された感じがするし、登場人物の心理を自分の心の中に探さなくてはならないので、自分が恋愛してるようでドキドキした。2014/10/12
ペペロニ
2
古さは感じるが、全体的にとても好みな短編集だった。心情描写を徹底的に排していたからこそ、登場人物たちの仕草や行動のみが際立って印象に残った。人の感情の不可思議な動きを想像してみるのが楽しい。2015/11/10
ichico
2
からっとしたドライな恋愛話なのに熱いものを感じる。2010/08/19
yourkozukata
2
日常的恋愛模様を描いているはずなのに、これほど読んだことがないと思わせるのはなぜだろう。意外性に富んだ結末と感情を排した文体のせいか。シビれる。2009/05/07
hal
1
久し振りに片岡義男の小説を読んだ。十代終わりから二十代の私的アイドル。短篇集の最初と最後がオートバイ小説なのは編者の北上次郎によれば、オートバイだからではないようだ。40年!ぶりに読んだ作も、昔と同じようにドキドキしながら読めちゃうのは、僕が成長していないせいか?吉祥寺の書店のサイン会までバイクに乗って行き、ヘルメットにサインをもらったことも思い出す。また原付から始めるかな♪?2016/02/09