内容説明
愛原ちさとこと千里の書く少女小説を愛しながら、本人が能天気な男であることを許せず、危険な妄想を膨らませていく彩子。いっぽう千里は、ある誤解から志木の恋人であると宣言してしまう。「世界一美しい人」に迫る危機と、さらに巨大化する自らの超兄貴体形に焦る俊彦は、あろうことか当の千里に火傷を負わせてしまう。失意のどん底に叩き落とされた俊彦は千里との別れを決意するのだが…。伝説の恋愛コメディ第2巻。
著者等紹介
森奈津子[モリナツコ]
1966年東京都生まれ。東京女子大学短期大学部英語科、立教大学法学部法学科卒。1991年、『お嬢さまとお呼び!』でデビュー以後、“お嬢さまシリーズ”“あぶない学園シリーズ”などの少女小説で人気を博す。90年代後半からは一般文芸にも進出し、日本SF大賞の候補となった作品集『西城秀樹のおかげです』『からくりアンモラル』(ハヤカワ文庫JA)をはじめとして、性愛をテーマにしたSF、ホラー、現代小説などの長短篇を数多く発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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明智紫苑
21
登場人物の「小説家や漫画家は、おのれの内面のよいところを作品に使ってしまい、あとの人格は残りカスだと言われるものだが…」というセリフは、ズバリ、森さん自身に当てはまるように思える。ツイッターユーザーとしての森さんの「そんな人だとは思わなかった」ぶりからして、そう見なさざるを得ない。しかし、このセリフが真実ならば、私が若干苦手にしている某大物歴史小説家さんの描く「君子的」ヒーロー像と本人との関係性は…こ、これ以上はあえて書かない!2020/05/18
まりもん
21
これって続編でないのかな? もうあっという間に読めて爆笑もできたのでぜひぜひ続編を希望2010/04/22
九鳥
18
2巻も面白かったー。真性レズビアン彩子の強引でデタラメなのにやたら具体的な妄想が楽しくて仕方がない。志木とアシスタント東のバカバカしい対決に電車内で吹いた。彼らの日常はずっとこのままなんだろうなぁと思うので、続刊が出たら嬉しい。2009/04/13
Yukari
14
今回も前作に続き淡々と物語は進んで行った。所々笑えた所はあったけど、可もなく不可もなくってゆう所は変わりませんでした。2017/04/19
ごはん
14
俊彦と彩子の相変わらずの激しい妄想と、志木と東の鳥肌ゲームに笑いが止まらなかった。登場人物がこの先どうなっていくのか、少しばかり気になる結末ではあった。この作品は10年以上も前に書かれたというのに、いま読んでも違和感をまるで感じさせない。セクシュアル・マイノリティである5人の架空の物語であるはずなのに、リアリティがあるように感じたのはこの作者だからだろうか。10年前にこの作品を読んでいたら、どのように感じていただろうか。2009/06/07