内容説明
かつて世界は悪魔に滅ぼされた。主は五階層の閉鎖都市を創造し、聖なる「壁」によって悪魔の侵入を食いとめたという。それから幾星霜、都市を統べる「殿堂」の聖職者ブルーは、悪魔崇拝者の摘発後、世界の真理を探究する修学者ヘーゲルに出会い、「殿堂」の厳格な支配に疑問を持つ。それは、神と悪魔をめぐりブルーを嘲弄する、狂乱劇の始まりだった。やがて、すべてが昇華する地平に真実が顕現する―著者畢生のSF黙示録。
著者等紹介
田中啓文[タナカヒロフミ]
1962年、大阪府生まれ。神戸大学卒。1993年、長篇『凶の剣士』が集英社ファンタジーロマン大賞に佳作入選して作家デビュー。ヤングアダルトSFを経て一般文芸の世界に進出、SF・ホラー・ミステリなどジャンルを超えた活躍を続けている。2001年のSF短篇集『銀河帝国の弘法も筆の誤り』(ハヤカワ文庫JA)の表題作で星雲賞日本短編部門を受賞、1998年の伝奇ホラーSF『水霊 ミズチ』、2003年にハヤカワSFシリーズJコレクションにより刊行された『忘却の船に流れは光』で日本SF大賞にノミネート(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けいちゃっぷ
8
内容は読んでもらうしかありませんが、一つだけご注意申し上げるなら「食事しながら読まないこと」(笑)。 2007/06/03
ネムル
7
田中啓文版『神曲』とかどないやねん、とか思いつつ読んだが、まあ当然のように脱糞小説だった。新聞小説で毎度山場を出すかの勢いで、ページをめくると常に脱糞か血ドバ。あー、おもろ。だじゃれの少ないのだけが不満だったが、ラストには呆然阿呆オチに加え、しょーもないだじゃれがあったので非常に満足である。ちなみにこの本、便器に腰掛け読み終えた。糞をひりながらも、思わず笑ってしもうたよ。2016/02/04
ろびん
4
目次からしてモチーフは神曲かな、と思いつつ読んだ事が無いのですよね……。オチは中々でした。2018/12/21
Bugsy Malone
4
エロ、グロ、駄洒落。やっぱりこの人大好きです。2015/02/03
oyai
4
以前読んだお勧め本シリーズwこちらこの作家さんの作品では、私的に一番面白かった作品。粉もん屋馬子や鍋奉行が好きな方にはオススメできませんwエログロ苦手な方もダメですね。で、おそらくはこの作品の最後の一文。これかきたくってこの小説を書いたんだと確信しています。グロいけどオススメ。