内容説明
遺伝子管理局の知性機械により繁栄した人類文明は、ウイルスの蔓延により滅亡した。西暦2643年、汚染された中南米の都市エスペランサは、その支配者にして知性機械サンティアゴに接続する生体端末アンヘルの力で、唯一古えの科学技術を保っていた。レコンキスタ軍を創設した彼女は、不老長生のホアキンらと中南米平定を目論みつつ、放浪の父娘JDとカルラを密かに監視する。
著者等紹介
仁木稔[ニキミノル]
1973年長野県生まれ。龍谷大学大学院文学研究科修士課程修了。2004年、ハヤカワSFシリーズJコレクションより刊行された本作で作家デビュー。新人離れした壮大なスケールの作風が高い評価を受けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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眠る山猫屋
22
2600年代、ラティニダード。赤道直下辺りに残った文明の燠き火。一方の主人公アンヘルは文明の再興を目指しているように見えず、もう一方DJとカルラの旅に目的意識は薄い。そのあたりが読み難さの原因かも。とは言え、世界観は構築されているし、トリニとダニエルの兄妹が絡んだ終盤、圧倒的だった。ダニエルが主人公でもいい。回想シーンのラウルでも。登場人物が、それぞれ歩き出した感がある。下巻に急ごう!2018/05/24
Empirestar
3
南米大陸が舞台。ストーリー展開はSF版マルケスといった感じなのだが、やや饒舌なところがあり、そのあたりはなければスタイリッシュに読めそう。耽美なところも多い。遺伝子汚染によって滅んだ前文明を継承し、生体機器アンヘルによって崩壊を免れた文明。そしてサンティアゴの力を使って再統一を目指すアンヘル。一方、聖地を目指して旅する父子。どう物語が下巻で接続するのか楽しみ。2009/05/24
zxcvdayo
2
スペイン語良いよね……わかんないけどなんとなくこれかなってギリギリわかりそうな加減がいいよね……方言として英語読みっぽいことしてるのも良いよね……でも長えよ話進んでねえよ2015/08/01
スヤスヤzzz
2
人間と機械の区別が曖昧...寧ろ同じものとして扱われる倫理観が何ともいず新鮮だった。2015/03/08
間立
2
サンディアゴ。アンヘル。グアルディア。コンポステーラ。レコンキスタ。薄あかりの中、遺伝子の物語は続く。2012/01/19