内容説明
ギャングの世代間抗争に端を発した拷問殺人の背後には、闇の軍属カトル・カールの存在があった。ボイルドらの熾烈な戦いと捜査により保護拘束されたナタリアの証言が明らかにしたのは、労組対立を利用して権力拡大を狙うオクトーバー一族の影だった。ついに牙を剥いた都市システムにより、一人また一人と命を落としていく09メンバーたち。そしてボイルドもまた、大いなる虚無へと加速しつつあった―暗黒と失墜の完結篇。
著者等紹介
冲方丁[ウブカタトウ]
1977年岐阜県生、早稲田大学中退、作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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UK
27
こういうオチだったのかあ。これ、スクランブルとどっちが先に書かれたんだろうか。書かれた前後関係はともかく、もしヴェロシティを先に読んでいたらスクランブルの印象も随分と変わりそうだ。読み直してみたい気もするけど、他の関連シリーズも読んでみたくなる。れれ、結構ハマってるのかな。爽快感のない、めちゃめちゃ陰惨な物語だけどね。2017/07/17
いおむ
24
再読。カウントダウン…そして到達した爆心地《グラウンドゼロ》。炸裂《エクスブロード》。作中に何度も何度も繰り返されるこの単語。改めて読みなおすとその重みと刹那さがひしひしと沁みた。2023/04/02
緋莢
22
拷問殺人の背後にあった闇の軍属「カトル・カール」の存在。多くの犠牲を出したボイルドらと「カトル・カール」の戦い、その末に保護拘束された ナタリアの証言が明らかにしたのは、権力拡大を狙うオクトーバー一族の 影だった・・・2016/06/07
みか
20
面白かったけど、それより全てがきちんと折り畳まれて収まりのついたすっきり感がたまりません。残虐シーンは少なくなり、その分ドロドロ感アップ。この展開は好み。境界は曖昧だけど、踏み越える瞬間だけははっきりとわかる理不尽さ。そしてもう2度と戻れない喪失感。どんなであれ、ボイルドは自分の道を貫いたのだな。でも、彼は完遂したのだな、と安堵もする。2013/12/01
ぜんこう
19
読ませる疾走感はこの巻も同様。 次々に仲間が敵に同志に敗れていくのはつらかった。 創造したようにSTARWARSエピIIIのダースベイダーのような強くて悲しくて、なんでそうなったというようなボイルド。 しかし、最後はあっけなかった。カトル・カールのあれだけ強かったフリントがあんな簡単に敗れるのは少しガッカリ。2018/03/27