内容説明
ちょっとした行き違いからガキに腹を刺されて入院した“俺”は、見舞いにきた自称「霊能力者」こと濱谷のオバチャンの依頼で、女子高生の家庭調査を引き受けるハメに。軽い気持ちで手を付けたこの一件と、自分を刺した犯人探しとが交錯した時、すでに札幌の闇に蠢く巨大な陰謀に巻き込まれていることに、“俺”は気づくのだった。いまどきの高校生に翻弄されながらも、ススキノの中年便利屋が奮闘する軽快ハードボイルド。
著者等紹介
東直己[アズマナオミ]
1956年札幌生まれ。北海道大学文学部哲学科中退。北の歓楽街ススキノでその日暮らしの一方、家庭教師、土木作業員、ポスター貼り、カラオケ外勤、タウン誌編集者などあまたの職業を経て、92年『探偵はバーにいる』で作家デビュー。2001年に『残光』で第54回日本推理作家協会賞の“長編および短編集部門”賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gonta19
81
2010/12/18 Amazonより届く。 2017/8/17〜8/22 ススキノ探偵シリーズ、長編第5弾。二年ぶりのシリーズ読了。とうとう、「俺」も40代半ば。しかも、お腹の脂肪のおかげでナイフで刺された傷が浅かった、などという中年の悲哀を醸し出す。映画で大泉洋さんが演じているので、痩身のイメージがあるが、そうすると、この作品をベースにした映画は難しいのかな。今年、映画も3作目が公開されるようだが、大変楽しみである。2017/08/22
kaoru
42
他の作品と合わせて完結する話のようで、単品では結末が中途半端です。ただ、年を取った「俺」が相変わらずお人好しで、ススキノで楽しくやっているのが分かって嬉しかったです。連動した他の作品を読むかは迷うところ。2017/08/01
hanchyan@つまりはそういうことだ
31
♪紺色〜の制服に包んだ体は真っ白〜い雪割草です〜♪ というわけで。ある共通の出来事を体験したと複数の人々が感じてた場合、「同じときに同じ場所で」ていう際の『同じ場所』って、具体的にはどれくらいの面積を指すんだろうか、と考える。この地上全体?そりゃ広すぎだろう。この国?や、せいぜいが他山の石。この都道府県?「他人事じゃないよね」って感じだ。んで。この町。何かしら得体のしれない、不快で不気味な出来事が『自分の住む』この町で。だいぶ迫ってきたな。それでも、立場が違えば関わり方も変わる。当たり前か(笑)2022/04/14
林 一歩
28
一気読み。後半の盛り上がりからどんな展開になるのだろうと手に汗を握りはしたものの、あっさりとした幕切れに拍子抜け。これはこれで、映画「フロントページ」みたいで味はあるのだけれど。2013/10/15
HiroshiKzk
23
最後は少しバタバタとした感じで終わってしまいました。年取って少し酒飲みの回数も減ったのかと思いきや相変わらずの“俺”の奔放ぶりには笑えます。危ない橋も渡ってます。「ススキノハーフボイルド」も読まなくてはな。2017/06/10