内容説明
雪男、グロブスター、チュパカブラ、クラーケン―UMA(未知生物)を追う蘇我家馬子と弟子イルカの旅は続いた。しかしイルカは、馬子がUMAに寄せる痛切なまでの共感の情に気づいていく。いっぽう、世界の終わり“ヨミカヘリ”の刻が迫るなか、山野千太郎のUMA探索も熾烈さを極めていた。朗々と響きわたる“おんびき祭文”とともに、世界の命運を懸けた最後の闘いが始まる…伝説の珍伝奇シリーズ、奇跡の完結。
著者等紹介
田中啓文[タナカヒロフミ]
1962年、大阪府生まれ。神戸大学卒。1993年、長篇『凶の剣士』が集英社ファンタジーロマン大賞に佳作入選して作家デビュー。“十兵衛錆刃剣”などのヤングアダルトSFを経て一般文芸の世界に進出、SF・ホラー・ミステリなどジャンルを超えた活躍を続けている。2001年のSF短篇集『銀河帝国の弘法も筆の誤り』(ハヤカワ文庫JA)の表題作で星雲賞日本短編部門を受賞、1998年の伝奇ホラーSF『水霊ミズチ』、2003年のSF長篇『忘却の船に流れは光』(ハヤカワSFシリーズJコレクション)で日本SF大賞にノミネート
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