内容説明
ミリガン運送の見習い航法士として、ときには危険な業務にも従事するメイだったが、故郷ヴェイスの両親には“安全かつ健全な毎日です”という偽りの手紙を送り続けていた。そんなある日、両親がアルフェッカ号を訪ねてくることになった。しかも次の仕事先は、艦隊消失事件が起こった戒厳令下の惑星ベクフット。あろうことか海賊の潜水艦に拉致されてしまったメイは、無事に両親との再会を果たせるのか…シリーズ第7弾。
著者等紹介
野尻抱介[ノジリホウスケ]
1961年三重県生まれ。計測制御・CADプログラマー、ゲームデザイナーを経て、1992年、ゲーム「クレギオン」の設定をもとにした『ヴェイスの盲点』で作家デビュー。以後、『クレギオン』『ロケットガール』の両シリーズで人気を博す。2002年に上梓した『太陽の簒奪者』(ハヤカワSFシリーズJコレクション)は新時代の宇宙SFとして絶賛を浴び、短篇版に続いて星雲賞を受賞、「ベストSF2002」国内篇第1位を獲得した
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チョモ
8
シリーズ最終作。家族(一巻、四巻)+生活(二巻、五巻)+SF的存在(六巻)+ラピュタ?(三巻)="本作"。…はちょっとオーバーかもしれませんけど、今までの作品の特徴的な要素を集めた様な構成が印象的でした。EDも素敵で、この後味の良さは大きな魅力ですネ(^^; 当シリーズは初読でしたが時代を感じさせない完成度の高さだと思います。ライトノベルでここまで良質なSFが出ていたとは…orz ミリガン運送の面々はこれからも痛快な旅路を続けていくのでしょうか。続きを期待しながらも、ひとまず閉幕。・゚・(ノД`)・゚・。2014/02/08
あかつや
4
一応のシリーズ最終巻。といっても物語的に最終回的締めをしたわけでもないが。でも最初の巻で機雷に閉ざされた故郷から広大な星の世界に飛び出した少女が、ここまででずいぶん立派に成長したもので、この巻ではたとえ恩ある相手に対してでも嫌なことは嫌とはねつけて、顔面を蹴っ飛ばすという力強い姿を見せてくれた。両親のいい子ちゃんも卒業したし、若者のイニシエーションの物語として、ひと段落ついたという感じではある。おそらくは書かれることのない続編を待ちながら、一人前の宇宙船乗りとなった彼女の活躍に思いをはせるのもいいだろう。2018/12/11
かきたにたくま
2
シリーズ最終作?このクオリティが続くなら続きが読みたいのだけど、そうもいかないのかな。捕らわれて身ぐるみ剥がされて、命が危なくなって、親のチェックに不安を感じてとドタバタ劇は変わらずです。それが安定した面白さなので、最終作というのはちょっとさみしい。2022/03/05
しゅう
2
クレギオン再読終わり。B2017/02/20
jingi
2
電子化を機にまとめ買いしていたシリーズを読了。天冥の標を読んだ後だと前向きなストーリーが眩しい。大いに盛り上がりそうなところをスッと締めてしまうは今にも通じる野尻節な感じ。物足りなさもあるけど心地よい物足りなさ。2014/01/28