内容説明
行方不明のレンカ高皇にかわり摂政の位に就いたスミルは、一官僚であるセイオを帝国復興院の総裁に任命した。遠大なる帝都再生計画を掲げるセイオであったが、その強引なまでの政策は、サイテン首相率いる政府のみならず、救うべき市民たちの反感をも招いてしまう。復興院解体の危機が迫るなか、ダイノン、サランガナンなどの星外列強が、混乱する帝国に干渉の手を伸ばそうとしていた…。未曽有の国家再生ドラマ、第2巻。
著者等紹介
小川一水[オガワイッスイ]
1975年岐阜県生まれ。1993年、中篇「リトルスター」が集英社ジャンプノベル小説・ノンフィクション大賞佳作に入賞してデビュー。1996年、同賞大賞受賞作『まずは一報ポプラパレスより』で単行本デビュー(河出智紀名義)。2003年発表の月面開発SF『第六大陸』(ハヤカワ文庫JA)では「ベストSF2003」国内篇第2位を獲得した。宇宙作家クラブ会員
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感想・レビュー
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みっちゃん
78
帝都トレンカの復興に孤軍奮闘するセイオ。しかしその志は国民には理解されず、彼自身も過去の憎しみを昇華できず、身近な人々に心を開けない。そんな中、少しずつ、少しずつ彼の理解者が…この物語は皇女スミルの成長の物語でもあるのだなあ。【天冥の標】のイサリ同様、心惹かれる女性です。ラストではこの大厄災の衝撃の真実が明らかに!ここに来て一気にSF小説らしくなってきたよ!第3部、今日、買って参りました!2014/08/26
Tadashi_N
38
政治と災害復興の話だけどではなく、他の星や遠隔攻撃などのSF要素が出てきた。2018/02/16
いおむ
25
面白かった。圧倒的な震災の描写の上で登場人物の立ち位置を書いた一巻に続いて、その復興からの物語が始まり各登場人物の視点でみる今巻。人種民族問題や星間外交、政治経済、軍事までどん欲に取り込んだ圧倒的な物語。ランカベリーやスミルの人格的欠点がストーリーをより面白くする手腕はさすが。特にランカベリーは有能なだけにもっと上手くできるだろうとこちらに思わせてからの、スミルとの和解と亡くなった上司に授けられた言葉を思い出す下りは痺れた!!2019/01/13
BUBI
19
いやぁ~なかなか進みませんなぁ。大地震からの復興の過程は興味深くはあるんですが、退屈で、寝る前に読んでると数ページも読むと眠くなってしまい、全然先に進みません。それでもなんとか2は読み切りました。最後の方で山津波に巻き込まれてピンチの展開は面白かったので、大災害の描写は事態緊迫で悪くない。それ以外の政争のシーンがどうも興味が持てないようです。いや、そういう地味なシーンも読まなきゃとは思っているのよ? でもねぇ…とにかくも3へ行きます。2023/02/19
JACK
18
☆ 人類が地球を離れて数百年。他の星の列強国から弱小国と見られているレンカ帝国。帝都が巨大地震で壊滅し、復興院総裁のセイオは数十年後を見据えて奮闘する。混乱に乗じて暗躍する政治家、様々な思惑で援助を申し出る他星の政府、意見が対立する皇族で摂政のスミル、不満を爆発させる市民、そして余震。やっと震災から立ち直れそうになったところで驚きの展開が待っていました。政治、経済、軍事、皇族のあり方、人種差別、宗教など様々な問題が描かれていて深い物語です。文庫3冊と長い作品ですが読む価値があります。オススメ。2025/07/31
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