内容説明
ナリスをめぐる神聖パロとゴーラの対立は、グインの尽力によって収まり、つかのま平和が訪れたかに見えた。しかしナリスのからだは、これまでの数々の試練によってひどく蝕まれていた。グインとの初会見のさなか、その異形の不思議に感銘を受けたナリスは、かぼそい声で成しえなかった夢を語りながら、グインに見守られて静かに息を引き取る。その死が知らされるや、誰もが胸ふたがれ、中原は大きな悲しみにつつまれた。
著者等紹介
栗本薫[クリモトカオル]
別名に中島梓。東京生まれ。早稲田大学文学部卒。77年中島梓名義の「文学の輪郭」で群像新人賞評論部門を受賞。78年『ぼくらの時代』で江戸川乱歩賞受賞。以後、作家・栗本薫、評論家・中島梓を使い分けて多彩な文筆活動を展開する。小説作品は、ミステリ、SF、時代小説、耽美小説と多岐にわたる。ライフワークともいうべき一大長篇ロマン「グイン・サーガ」は、全100巻を目指して早川書房より刊行中
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感想・レビュー
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starbro
156
★超大作(公式表現:未曾有の大河ロマン)『グイン・サーガ』シリーズ全180巻完読プロジェクト(ギネスに挑戦!) https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11805473?sort=book_count&order=desc 今回は、ゾロ目の正伝88巻(110/180)です。今巻は、アルド・ナリス死の余波&葬儀の巻でした🐆 続いて、正伝89巻へ。2022/08/24
nonたん
39
大人の階段を登る、リンダ。愚痴っぽい人々。悔やんだところで、亡き人は戻らぬ。バカチンは相変わらずバカチン。グイン様が思うところは、私もそう思う。世界中皆が幸せを感じる世界を創り出すのは物凄く困難かもしれない…だが、グイン様とリンダが…また、新たな世代が…きっとやり遂げていくような気がする。さて…クリスタルの闘いだね。2012/10/30
瀧ながれ
27
かなしみはかなしみとして、「葬儀」ってのは段取りだしお金の話だし、お墓を作るにもお金だし土地だし政治だし、とくにいまの神聖パロとやらは人材不足で、いちばん静かにしておきたいリンダとヴァレリウスが動いて采配しないと、なんにも決まらないのだよな、辛い。グインの支えでスムーズな仕切りができるかと思うと、あのばかな吟遊詩人が出てきたり(選りにも選っていまかよ!)、あのばかな新参国王が出てきたり(まだそのハナシ引っ張るかよ!)、落ち着かないことこの上ない。もうちっと使える人間がほしいですなあ、ヴァレリウスよ…。2016/03/07
Toshy
24
ナリスのその後の一日を描いた一冊。いろいろな人の思惑があるのだろうけれど、悲しみを読むのにどっと疲れてしまいました。次はまた舞台が変わるのかな?2014/02/07
きらら@SR道東民
21
これで本当にナリス様ともお別れ、どんなに悲しくても受け入れられなくても、生きている者には悲しみを背負いつつ、それぞれ進むべき道がある。ああ~、よろめきあったリンダとイシュトに、胸をときめかせてしまった・・・。大好きだったあの頃のリンダとイシュト、蜃気楼の草原の2人に戻れたらって・・。マリウスだって、イシュトとグインと3人で珍道中していた頃は優しい好青年だったのに、何なの~、独りよがりの厄介者になってしまった。2013/09/25