内容説明
日照りに見舞われ、干上がったダム底から緑山中学校の旧校舎が不気味な姿を現わした夏。廃校で肝試しの怪談「百物語」を行った悪童たちは、とんでもない怪物たちを喚び出してしまう!あまつさえ殺人までも!荒れ狂う暴風雨の闇を動き回るスパルタ教師、連続婦女暴行魔、過激派の女闘士。息継ぐ間もなく襲いかかる悪夢、また悪夢。日本推理作家協会賞受賞作『沈黙の教室』につづく、入魂のダーク・サスペンス第2弾。
著者等紹介
折原一[オリハライチ]
1951年、埼玉県に生まれる。早稲田大学卒業。編集者を経て、1988年、『五つの棺』でデビュー。1994年発表の『沈黙の教室』で、日本推理作家協会賞長篇賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
62
叙述ミステリーと時間がキーになっているのではと、いつも折原作品を読んでいて感じることです。今回は少年たちが百物語をしているうちに、怪物を呼び出してしまうということでかなり怖さを感じさせてくれます。二回目ですがいつも何が何だか分からなくなってしまっています。非常に設定もうまいと感じます。2015/06/25
カムイ
36
登場人物の記憶の曖昧さにより村の学校に集めらてしまうホラーぽさのあるサスペンス、次巻では殺戮がおっぱじまるだろう。2020/10/28
Yu。
31
どこまでが現実でどこまでが虚構か。。連日の猛暑で干上がったダムの底から姿を見せた廃校で百物語を始めた四人の中三男子を襲う謎の怪現象‥の背景にいる暴君と二人の殺人鬼といった畏怖の対象が互いに絡み合い、複雑怪奇な恐怖絵巻を生み、そして迷い込んだ彼らの担任教師と二名の女子生徒を加えたところで新たな幕が上がる‥のかな‥ というように多くの謎を残したまま次巻へバトンタッチ。2018/10/18
tengen
30
教室シリーズ第2弾。過去には移転、ダムの底に沈むことになった緑山中学校。稀に見る干魃でダムが干上がり姿を現したかつての集落。再び姿を現した中学校を舞台に台風通過の中、不思議な出来事が起こる。干上がった学校で夜通し百物語の肝試しをする近郊の少年たち4人。病院へのお見舞い帰りに台風で立ち往生する女教師と二人の女生徒。森に潜む殺人鬼・浦田清。警察に追われる過激派組織の残虐な女リーダー那珂川映子。スパルタな元校長・片岡雄三郎の特別授業を挟みながら旧校舎で不思議な物語が展開してゆく。百物語の末に呼び出した恐怖。2022/11/23
coco夏ko10角
30
シリーズ第2弾。といっても繋がりはないんじゃ…?と思ってたら『沈黙の教室』に登場した人物が出てきたり。百物語怖いなぁ…。途中は現実なのか怪談なのか頭の中がぐるぐる、進むにつれて「こういうことかな…?」からの最後の方での驚き。ホラーなのかミステリーなのか。〈2〉でスッキリできるのかな?下巻へ2016/03/06