内容説明
ジェニュアからの脱出を図らんとするナリス軍。そしてこれを追討するレムス国王軍。両者は夕刻、ルーナの森でついに激突した。ヤンダル・ゾッグのあやかしか、巨大な眼球となった不気味な月が見おろす下での戦闘は熾烈をきわめ、森は鮮血に染まる。同じ月の下、魔空間に変容したクリスタル・パレスで、恐怖に打ち震えるリンダの姿があった。そしてその一方、戦場を驚愕の知らせが駆け抜ける。「アルド・ナリス崩御―」と。
著者等紹介
栗本薫[クリモトカオル]
別名中島梓。東京生まれ早稲田大学文学部卒。77年中島梓名義の「文学の輪郭」で群像新人賞評論部門を受賞。78年『ぼくらの時代』で江戸川乱歩賞受賞。以後、作家・栗本薫、評論家・中島梓を使い分けて多彩な文筆活動を展開する。小説作品は、ミステリ、SF、時代小説、耽美小説と多岐にわたる。ライフワークともいうべき一大長篇ロマン「グイン・サーガ」は、全100巻を目指して早川書房より刊行中。主著書に『絃の聖域』、『魔界水滸伝』ほか多数
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感想・レビュー
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starbro
162
★超大作(公式表現:未曾有の大河ロマン)『グイン・サーガ』シリーズ全179巻完読プロジェクト(ギネスに挑戦!) https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11805473?sort=book_count&order=desc 今回は、ゾロ目の正伝77巻(97/179)です。 今巻は、アルド・ナリス消滅後の世界の巻でした🐆 続いて、正伝78巻へ。2022/08/06
瀧ながれ
37
「アルド・ナリス自死」の報が、パロのみならず各地に届く。…真偽はともかくとして(ニュースをきいた誰もが、本人と会ったことがないグインまでが、「アルド・ナリスのことだから、偽りじゃないのか?」と必ず一度は疑ってかかるって、ナリスの人徳よねぇ(笑))。それは、ゴーラのイシュトヴァーンに暗い炎を灯し、ケイロニアに身を隠すマリウスをパロへと飛び立たせるのだった。マリウスにとっては、ケイロニア脱出のための、格好の言い訳ができたのだと思うなあ。重苦しくて、読んでて辛い巻でした。他のやりかたはなかったのかい、ナリス。2015/12/27
nonたん
34
タイトルでバレてるよ。疑惑過ぎ。だって、あいつ死ぬときにアッサリでは有り得ない!早く逝けってぐらい長いに違いないもの!周りの国に伝えられて、その反応が描かれてます。バカチンのチャンスだなには、笑えた!そして、マリウスはやっぱり…このどうしようも無さは唯一無二ではないだろか…笑ってやれ~。リギアさんは離れて行くのかな…。2012/04/30
きーみん
21
タイトルの疑惑って、ほんとに「月」が隠れたかどうか、って事かな?「嘘に決まってんだろ!」と思ってるけど、はてさて。マリウス、この子はも〜!奥歯がギリギリする!ヴァレさん、出番遅いよ。2011/03/14
コロチャイ
20
ナリスの禍事が中原を覆い尽くす。イシュトヴァーンの参戦への焦り、カメロンのイシュトにたいする冷徹な対応。そしてマリウスの感情的なナリスへの思い。グイン、ハゾス困りますね。皆がクリスタルにむかっていく。2023/12/11