内容説明
真夜中の電話から洩れるあえぎ声。電車の中、内腿にまとわりつく指先。ねっとりとからみつくような視線。23歳の平凡な娘、はづきを執拗につけまわすストーカーの思いこみは、やがて狂気の領域へ踏みこみ、殺意へとエスカレートしてゆく。孤独な心、自己中心的な欲望、倒錯した性欲など、現代が抱えるさまざまな問題を盛りこみ、明日あなたにも起こるかもしれない、日常と隣り合わせの恐怖を描いた戦慄のサイコサスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サウス@大学生活始めました
8
★×1.5 1996年に出版された少し古い本。 個人的には好きになれなかったな。 帯に、妄想のストーカーと有るんだけど、話自体は少し雑なような気がした。ストーカー男の気持ち悪さは伝わって来たけれども、読んでいて退屈でした。現代のイヤミスと比べることが正しいとは思えないけれど、個人的には面白みのないイヤミスって感想です。2018/12/07
爆食オブtheデッド
5
全体的に古さを感じていまいち乗り切れず、、、( ノД`)…程度の差はあるけど、ユウキの不安感はわかる気がして。2017/06/17
みつ@---暗転。
5
**** 一気読み。規制法の存在しなかった90年代。ひとりの男に目をつけられてしまった女性、彼女が偶像崇拝めいた愛情を向ける若手俳優と彼を病的に愛するようになる二枚目俳優、ふたつの一方的な愛憎劇。ここに描かれた心理の「異常さ」は、ストーカーにとっては「正常」「基本形」なのかもしれない。主観のみで思考しては責任を転嫁する方法は、精神病質の手本のように思える。五章の妄想性の精神障害に思われる犯人の独白には、背筋が凍った。「こんなはずじゃなかった」。ここまで客観を排除し、生々しく描いた栗本女史が本当に恐ろしい。2015/07/20
とくま
4
×P14。 最初の語り口調が苦手。2018/02/12
yoko
3
新装版の表紙とタイトルに惹かれて手に取りましたが…気持ち悪かった。怖かった。他人への執着がよくわからないアイドルの気持ちにいちばん共感してしまう私は、本質的に冷めたニンゲンなんだろうな。でもこんな自分本位な「愛」なら、絶対もちたくないかも。2015/06/17